ノーティードッグ

アメリカのゲームメーカー
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ノーティードッグ: Naughty Dog, LLC.)は、カリフォルニア州サンタモニカに拠点を置くアメリカゲームの開発会社。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の子会社で、PlayStationプラットフォーム向けゲームソフトの開発を行うPlayStation Studiosの一つである。

ノーティードッグ
現地語社名
Naughty Dog, LLC.
種類
有限責任会社
業種情報・通信業
事業分野ビデオゲーム開発
設立1984年
創業者アンディ・ギャビン
ジェイソン・ルービン
本社アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンタモニカ
主要人物
エヴァン・ウェルズ(共同社長)
ニール・ドラックマン
アリソン・モリ
製品ゲームソフトウェア
所有者ソニー・インタラクティブエンタテインメント
従業員数
400+[1] (2023年7月)
親会社PlayStation Studios(2001年 - 現在)
ウェブサイトwww.naughtydog.com ウィキデータを編集

主にアクションゲームの開発を行い、クラッシュ・バンディクーシリーズアンチャーテッドシリーズなどを手掛けてきた。また、ゲーム関連のアワードにおいて数多くの賞を獲得している一大スタジオとして知られる。「ノーティドッグ」と表記されることもある。

概要

20年間にわたり様々なジャンルのベストセラーソフトを世に送り出し、多数の賞を手にするなど高い評価を得ている[2]。2009年時点までにノーティードッグのゲームは、累計販売数4千万本を突破し、総売上高は10億米ドル以上に達する[2]

一大スタジオでありながら、仕切りの少ない小規模なスタジオの雰囲気を保っており、上下関係などは存在せず常に社員同士で意見交換が行われている[3]。ゲームプレイの改善を目的とした上の駄目だしも少なくなく、この環境はクオリティーの高いゲームを制作する秘訣であるという。

サンタモニカのハイウェイ10号線近くに本拠を置き、複数のビーチや、遊園地、メインストリートのショッピングエリアなどが隣接する。同じSIEの開発スタジオであるSIEサンタモニカスタジオも近い。一年中温暖な気候で、バスケットボールヨガセッション、グループ旅行、デッサンワークショップなどの様々な活動も行われている[2]

オフィス内には犬が数匹飼われており、自由に動き回っている。「naughty」とは「いたずらな、わんぱくな」という意味で、ノーティードッグが開発したゲームの1つ『ジャック×ダクスター 旧世界の遺産』では「無茶犬」という表記もされている。

制作環境

ロード時間を一切表示せずに、広大なフィールドを表現する手法を用いることが多く、ジャック×ダクスターシリーズアンチャーテッドシリーズ(以下UC)などでは、一部のシーンを除き、全てのフィールドがシームレスに纏められている。

『UC』と『The Last of Us』の開発にはモーションキャプチャーテクノロジーが利用されており、ハリウッドソニースタジオで撮影が行われる[3]。これによりキャラクターの動きを役者と合わせることができ、表情もカメラで読み取っているのでリアルで自然な表情が生み出されている。

高度なグラフィック処理はノーティードッグの独自のエンジン開発が実現しており、『UC2』以降は物理エンジンにHavokも採用されている[4]。また、ゲームだけではなく、アートの世界でも痕跡を残そうとするノーティードッグの「流儀」に従い、ゲームのあらゆる細部まで拘り作り込まれていることが確認できる。中にはプレイヤーが気づかないような点も多数あるが、それらひとつひとつが組み合わさることにより、よりよい体験を作り出しているという[4]

歴史

設立当初

1985年、アンディ・ギャビン(Andy Gavin)とジェイソン・ルービン(Jason Rubin)によって独立したゲーム開発スタジオとして設立された[5](2001年にはソニー・コンピュータエンタテインメントにより買収された)。設立当初は「Jason and Andy Magic」を略しJAMソフトウェアと呼ばれていた。ギャビンとルービンはメガドライブ用の『Rings of Power』と3DO用の『ウェイ・オブ・ザ・ウォリアー』を含むゲームを製作し次第に成功を収めていった。特に後者は低予算ながらも良作とされ、ユニバーサル インタラクティブ スタジオはこれを評価し、当スタジオと3タイトルに及ぶ契約を結び、会社拡大のため資金を供給することとなる[5]

ソニック・ザ・ヘッジホッグ2の開発に当たったセガのマーク・サーニーMark Cerny)は、新たに得た資産を最新世代ゲーム機の3D機能の能力をフルに活用するような、コミカルキャラクターが主役の3Dアクションゲームの製作に集中するようノーティードッグを説得していた[5]。このエピソードは最終的には1996年8月31日の初代PlayStation用『クラッシュ・バンディクー』のリリースにつながったという。ノーティードッグはこのクラッシュ・バンディクーの続編を後の数年の間で3作製作する。

SCE買収後

2001年1月にはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)がノーティードッグを買収すると発表。『クラッシュ・バンディクー レーシング』を開発した後、同スタジオはPlayStation 2用の『ジャック×ダクスター』の開発に取り組み始めた。

2004年には、ノーティードッグのスタジオの社長兼共同創設者であったジェイソン・ルービンが会社を辞め[6]、別のスタジオで『Iron and the Maiden』という名前の新しいプロジェクトに取り組む[7]

2007年にはノーティードッグ最初のPlayStation 3タイトルである『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』リリース。2009年にその続編である『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』、そして2011年11月に『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』 がリリースされた。特に『黄金刀と消えた船団』は、コントローラーを手放せさせない興趣の尽きないストーリーに、手に汗を握る迫力溢れるゲームプレイ、細部まで拘り作り込まれたクォリティーの高さなどが評価され、“AIAS[8] ゲーム・オブ・ザ・イヤー 2009”をはじめとする多くのゲーム賞を獲得した[9][10]

方針転換

当時までのノーティードッグは、同時に複数のタイトルを開発しない他、世代別のゲーム機ごとにひとつだけのフランチャイズしか製作しない来歴を持つことが知られていたが、この方針は過去のフランチャイズのファンから多数の批判を招いていたという[11]。しかし、2011年12月10日のPlayStation 3用新IPである『The Last of Us』の発表でこれまでの方針が終局を迎える。このプロジェクトは同スタジオ内において初となるセカンドチームを備えた同時進行開発となり、2013年6月にリリースされ、批評家による圧倒的な称賛を受けた。

2013年11月の米国でのPlayStation 4のロンチイベントでは、PS4用として『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』が発表され[12]、これでアンチャーテッドはノーティードッグ初となる2世代間に跨るフランチャイズとなった。

ICEチーム

ノーティードッグは、その社内ゲーム開発チームに加えて、SIEワールドワイド・スタジオの中心技術グループであるICEチーム(Initiative for a Common Engine Team / 共通エンジン構想チーム)の本拠地でもある[13][14]。ICEチームは、コアなグラフィックスの技術開発に焦点を当て、これをSCEの開発スタジオに提供する。 これには、深層のゲームエンジンコンポーネントや、グラフィックス処理パイプライン、グラフィックプロファイリング、デバッグツールなどが含まれる。

ICEチームはまた、サードパーティのデベロッパーにも、エンジンコンポーネント、グラフィック分析・プロファイリング、およびRSX用デバッグツールのスイートを提供している[15][16]。どちらも、デベロッパーがPlayStationハードウェアのパフォーマンスをより存分に生かせるためのサポートツールである。


他スタジオとの連携

ラチェット&クランク』シリーズや『RESISTANCE〜人類没落の日〜』などのゲームを開発したインソムニアックゲームズInsomniac Games)とは、両社のオフィスが近いこともあり、古くから親しい間柄にある。実際に2002年にノーティードッグは『ラチェット&クランク』の第1作の開発に手を貸しており、時折両社のゲームシリーズ内でのコラボレーションが行われている。

SCEファーストパーティの壁も越え、アクティビジョンInfinity WardBungieとも技術交換などを視野に入れた対話を行っていることが明らかになっている[17]。2017年の「クラッシュ・バンディクーブッ飛び3段もり!」ではフィードバックなどで協力。

開発タイトル

JAMソフトウェアとして
すべて日本未発売
発売年タイトルプラットフォーム
1985Math JamApple II
1986Ski Crazed
1987Dream ZoneApple IIGS, Amiga, DOS
ノーティードッグとして
発売年タイトル原題プラットフォーム備考
1989Keef the ThiefPC日本未発売
1991Rings of Powerメガドライブ日本未発売
1994ウェイ・オブ・ザ・ウォリアーWay Of The Warrior3DO
1996クラッシュ・バンディクーCrash BandicootPlayStation
1997クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!Crash Bandicoot 2: Cortex Strikes Back
1998クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周Crash Bandicoot : Warped
1999クラッシュ・バンディクー レーシングCrash Team Racing
2001ジャック×ダクスター 旧世界の遺産Jak and Daxter: The Precursor LegacyPlayStation 2
2003ジャック×ダクスター2Jak II
2004Jak 3(英語版)Jak 3日本では2017年にPlayStation 4で発売。
2005Jak X: Combat Racing(英語版)Jak X: Combat Racing日本では2018年にPlayStation 4で発売。
2007アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝Uncharted: Drake's FortunePlayStation 3
2009アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団Uncharted 2: Among Thieves
2011アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティスUncharted 3: Drake's Deception
2013The Last of Us
2014The Last of Us

Remastered

PlayStation 4
2016アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝Uncharted 4: A Thief's EndPlayStation 4
PlayStation 5
Microsoft Windows(Steam)
PS5版、PC版が2022年で発売。
2017アンチャーテッド 古代神の秘宝Uncharted: Lost Legacy
2020The Last of Us Part IIPlayStation 4
2022The Last of Us Part IPlayStation 5

Microsoft Windows

PC版は2023年発売。
2024The Last of Us Part II RemasteredPlayStation 5

関連会社

出典

外部リンク

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