ノカルジア症 (ヒト)
ノカルジア症( -しょう。英:Nocardiosis)は放線菌に分類される真正細菌の一属ノカルジア属によるヒトの感染症。主に日和見感染を起こすが、まれに[1]健常者の感染もある。ヒトへの病原性を示す種はN. asteroides、N. brasiliensis などがある。土壌中にすむノカルジア属を吸入することで肺感染症を、皮膚の傷口に入ることで皮膚感染症を発症する。
分類と症状
原発性と続発性に大別される。
- 原発性。
- 外傷などから感染し直接皮膚に発症[2]。
- 続発性。
- 内臓などの先行病変から進展。
診断
確定診断は喀痰、気管吸引痰、肺胞洗浄液や脳脊髄液などの検体からノカルジアの菌を分離することである。ただし生育は他の菌に比べてきわめて遅く、培養に1-2週間かかることがある[4]。ノカルジアの菌体はグラム染色では陽性桿菌として認められる。抗酸菌染色でも染まることが判定の一助となる。
予後
治療すれば比較的予後はいいが、重篤な基礎疾患がある場合や播種型の場合は予後が悪い。
治療
ヒト以外の生物
出典
- 礒沼弘、ノカルジア症 順天堂医学 Vol.38 (1992-1993) No.2 p.288-289, doi:10.14789/pjmj.38.288
脚注
参考文献
- 森健「ノカルジア症」杉本、小俣編『内科学』第7版、朝倉書店、1999年
- 斎藤厚「肺炎および肺化膿症」杉本、小俣編『内科学』第7版、朝倉書店、1999年
外部リンク
- 三上襄、ノカルジア症, 放線菌症 (PDF) 真菌誌, 2007
- 増本愛、平間崇、川名宏 ほか、非免疫不全患者に発症した肺と皮膚ノカルジア症の1例 日本内科学会雑誌 Vol.102 (2013) No.10 p.2679-2681, doi:10.2169/naika.102.2679