ニック・デ・フリース

オランダのレーシングドライバー (1995-)

ヘンドリック・ヨハネス・ニカシウス・"ニック"・デ・フリースHendrik Johannes Nicasius "Nyck" de Vries, 1995年2月6日 - )は、オランダフリースラント州アイトウェリンガーガ英語版出身のレーシングドライバー

ニック・デ・フリース
Nyck de Vries
フォーミュラEのチームプレゼンテーションにて
(2019年)
基本情報
国籍オランダの旗 オランダ
生年月日 (1995-02-06) 1995年2月6日(29歳)
ヘンドリック・ヨハネス・ニカシウス・デ・フリース
Hendrik Johannes Nicasius de Vries
出身地オランダの旗 オランダ
アイトウェリンガーガ英語版
基本情報
略称表記DEV
F1での経歴
活動時期2022-2023
過去の所属チーム'22 ウィリアムズ
'23 アルファタウリ
車番21
出走回数11
タイトル0
優勝回数0
表彰台(3位以内)回数0
通算獲得ポイント2
ポールポジション0
ファステストラップ0
初戦2022年イタリアGP
最終戦2023年イギリスGP
テンプレートを表示

ニック・デ・フリースNyck de Vries)の名で主に知られている。

モータースポーツ・フォーミュラ選手権の下位カテゴリーで実績を積み、2019年には「FIA F2」にてドライバーズタイトルを獲得。また、同年から「フォーミュラE」に参戦していた。

経歴

レッドブル・リンクでのデ・フリース。(FIA フォーミュラ2選手権)(2018年)
シルバーストン6時間レースでのデ・フリース。(2018年)
2023年オーストリアグランプリでのデ・フリース。

カート時代のデ・フリースは、2008年に2つのタイトルを獲得(「WSK・インターナショナル・シリーズ - KF3」「ドイツ・ジュニア・カート・チャンピオンシップ」)[1]2009年には、3つのタイトルを獲得した(「ドイツ・ジュニア・カート・チャンピオンシップ」「WSK・インターナショナル・シリーズ - KF3」「CIK-FIA ヨーロピアン・チャンピオンシップ - KF3」)[1]2010年2011年には、「世界カート選手権」で連覇を達成する[1]

カートを離れ、フォーミュラ・ルノー2.0 シリーズへとステップアップし四輪レースにデビュー。2014年ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0およびフォーミュラ・ルノー2.0 アルプスシリーズでダブルタイトルを獲得した[2][3]

フランスのDAMSに移籍し、フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズへステップアップ。最終戦ヘレスで優勝し、総合3位を獲得[4]

ARTグランプリに移籍しGP3シリーズへステップアップ。2勝を挙げランキング6位。

FIA フォーミュラ2選手権にステップアップ。第6戦モナコでF2初勝利を挙げる。2018年にF2強豪の一角であるプルタミナ・プレマ・セオドール・レーシング(現プレマ)に加入すると3勝を挙げシリーズ4位となる[5]2019年シーズンにはGP3時代に所属していたARTグランプリへと復帰し、4勝を挙げて同シーズンのF2ドライバーズタイトルを獲得した[6]

9月11日、「フォーミュラE」に新規参戦するメルセデスEQ・フォーミュラEチーム(当時はメルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)に加入。2019-20シーズンから参戦を開始[7]。2年目となる2020年-21年のフォーミュラEシーズンで自身初のドライバーズタイトルを獲得した[8]

また2020年にはWEC(世界耐久選手権)のLMP1クラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingのテスト兼リザーブドライバーとなった[9]。2021・2022年はLMP2クラスのプライベーターから代役としてル・マン24時間レースにエントリーした。

F1

第6戦スペインGPのフリー走行1回目でアレクサンダー・アルボンに代わり参加[10]。第12戦フランスGPではメルセデスからルイス・ハミルトンに代わり、フリー走行1回目に出場[11]。第16戦イタリアGPではアストンマーティンからフリー走行1回目に出場した[12]。同グランプリを虫垂炎により欠場したアルボンの代役としてウィリアムズからレースデビュー[13]。予選は13番手(グリッドは8番手)、決勝は9位でゴールしデビュー戦でポイントを獲得した[14][15]

10月8日には、来季より、アルピーヌへの移籍が発表されたピエール・ガスリーに代わり、アルファタウリのレギュラードライバーとして出走することが発表された[16]レッドブル・ジュニアチームに未所属から参戦するのは、チームではトロ・ロッソ時代のセバスチャン・ボーデ以来14年ぶりのこととなる。

スクーデリア・アルファタウリから2ndドライバーとしてF1に参戦。しかし、成績面でチームメイトの角田裕毅を下回ることが多く、モナコGP前にはシート喪失の噂が出るようになる[17]ヘルムート・マルコも「彼にカウントダウンも最後通告もしないが、我々は状況を見て、必要であればどんな形であれ対応するつもりだ」とコメント[18]。結局、イギリスGP後にダニエル・リカルドと交代することが発表され、シートを失うことになった[19]

F1後

2024年

F1のシートを失ったデ・フリースは、2023年9月にフォーミュラeのマヒンドラ・レーシングへの加入を発表[20]。さらに11月にはWECのTOYOTA GAZOO Racingへ復帰し、トヨタ・GR010 HYBRID 7号車の正ドライバーとして小林可夢偉/マイク・コンウェイとトリオを組むことが明らかになった[21]

備考・補足

2010年から2019年まで[22]マクラーレンの育成プログラムであるマクラーレン・ヤング・ドライバー・プログラム英語版のメンバーへ在籍していた。2018年には、アウディ・スポーツ・レーシング・アカデミーにも籍を置いた。

マクラーレンを題材としたアニメーショントゥーンド」にて、2つのエピソードに出演経験がある。

レース戦績

略歴

シリーズチームレース勝利PPFL表彰台ポイント順位
2012ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0英語版R-ace GP英語版140012785位
フォーミュラ・ルノー2.0 NEC英語版11112411610位
2013ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0コイラネンGP英語版1421251135位
フォーミュラ・ルノー2.0 アルプス英語版60002688位
2014ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.014565102541位
フォーミュラ・ルノー2.0 アルプス149910123001位
2015フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズDAMS1711161603位
2016GP3シリーズARTグランプリ1821151336位
2017FIA フォーミュラ2選手権英語版ラパックス英語版1310041147位
レーシング・エンジニアリング英語版80021
2018プルタミナ・プレマ・セオドール・レーシング2432662024位
2018-19FIA 世界耐久選手権 - LMP2レーシング・チーム・ネダーランド英語版60020649位
2019FIA フォーミュラ2選手権ARTグランプリ22453122661位
ル・マン24時間レース - LMP2レーシング・チーム・ネダーランド10000N/A15位
2019-20フォーミュラEメルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム1100016011位
FIA 世界耐久選手権 - LMP2レーシング・チーム・ネダーランド610229910位
2020ヨーロピアン・ル・マン・シリーズG-ドライブ・レーシング英語版31012435位
フォーミュラ1メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームテストドライバー
2020-21フォーミュラEメルセデスEQ・フォーミュラEチーム132124991位
2021ヨーロピアン・ル・マン・シリーズG-ドライブ・レーシング51202675位
FIA 世界耐久選手権 - LMP2100000NC
レーシング・チーム・ネダーランド100011519位
フォーミュラ1メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームリザーブドライバー
2021-22フォーミュラEメルセデスEQ・フォーミュラEチーム1621131069位
2022フォーミュラ1ウィリアムズ・レーシング10000221位
メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームリザーブ/サードドライバー
マクラーレンF1チームリザーブドライバー
アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラワン・チームテストドライバー
ル・マン24時間レース - LMP2TDSレーシング x バイヨン英語版10000N/A4位
2023フォーミュラ1スクーデリア・アルファタウリ100000022位
2023-24フォーミュラEマヒンドラ・レーシング英語版-------
2024FIA 世界耐久選手権 - ハイパーカートヨタ・ガズー・レーシング-------
  •  : ゲストドライバーとしての出走であるため、ポイントは加算されない。
  • * : 現状の今シーズン順位。

ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0

エントラント1234567891011121314順位ポイント
2012年R-ace GPALC
1

2
ALC
2

16
SPA
1

Ret
SPA
2

16
NÜR
1

4
NÜR
2

Ret
MSC
1

Ret
MSC
2

4
HUN
1

4
HUN
2

2
LEC
1

7
LEC
2

13
CAT
1

22
CAT
2

27
5位78
2013年コイラネンGPALC
1

9
ALC
2

7
SPA
1

Ret
SPA
2

8
MSC
1

10
MSC
2

16
RBR
1

15
RBR
2

12
HUN
1

3
HUN
2

1
LEC
1

3
LEC
2

12
CAT
1

1
CAT
2

2
5位113
2014年ALC
1

1
ALC
2

4
SPA
1

2
SPA
2

3
MSC
1

Ret
MSC
2

2
NÜR
1

1
NÜR
2

4
HUN
1

3
HUN
2

7
LEC
1

1
LEC
2

1
JER
1

1
JER
2

2
1位254

フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズ

チーム1234567891011121314151617順位ポイント
2015年DAMSALC
1

7
ALC
2

2
MON
1

11
SPA
1

9
SPA
2

2
HUN
1

11
HUN
2

9
RBR
1

3
RBR
2

5
SIL
1

4
SIL
2

Ret
NÜR
1

2
NÜR
2

3
BUG
1

7
BUG
2

10
JER
1

4
JER
2

1
3位160

GP3シリーズ

エントラント123456789101112131415161718順位ポイント
2016年ARTグランプリCAT
FEA

9
CAT
SPR

5
RBR
FEA

3
RBR
SPR

4
SIL
FEA

5
SIL
SPR

8
HUN
FEA

20
HUN
SPR

13
HOC
FEA

2
HOC
SPR

8
SPA
FEA

3
SPA
SPR

8
MNZ
FEA

7
MNZ
SPR

1
SEP
FEA

13
SEP
SPR

6
YMC
FEA

1
YMC
SPR

11
6位133

FIA フォーミュラ2選手権

フォーミュラE

チームシャシーパワートレイン12345678910111213141516順位ポイント
2019-20年メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチームSRT05eメルセデス・ベンツEQ Silver Arrow 01DIR
6+
DIR
16+
STI
5+
MEX
Ret+
MAR
11
BER
4
BER
Ret+
BER
18
BER
4
BER
14
BER
2+
11位60
2020-21年メルセデスEQ・フォーミュラEチームメルセデスEQ Silver Arrow 02DIR
1G+
DIR
9+
RME
Ret+
RME
Ret+
VLC
1
VLC
16+
MON
Ret+
PUE
9+
PUE
Ret+
NYC
13+
NYC
18+
LON
2
LON
2
BER
22
BER
8
1位99
2021-22年DIR
1+
DIR
10+
MEX
6+
RME
Ret+
RME
14
MON
10+
BER
10+
BER
1+
JAK
Ret+
MAR
6
NYC
8
NYC
7+
LON
6
LON
3
SEO
Ret
SEO
Ret
9位106
2023-24年マヒンドラ・レーシングGen3マヒンドラ・M9ElectroMEX
15
DIR
17
DIR
15
SAP
14
TOK
Ret
MIS
MIS
MON
BER
BER
SHA
SHA
POR
POR
LON
LON
20位*0*
  • 太字ポールポジション斜字ファステストラップ。(key)
  •  : リタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い。
  • G : グループステージでのファステストラップ。
  • + : ファンブースト。

フォーミュラ1

FIA 世界耐久選手権

エントラントクラス車両エンジン12345678順位ポイント
2018-19年レーシング・チーム・ネダーランドLMP2ダラーラ・P217ギブソン GK428 4.2L V8SPALMSSIL
5
FUJ
7
SHA
5
SEB
5
SPA
5
LMS
5
9位64
2019-20年オレカ・07SILFUJ
1
SHA
5
BHR
5
COA
5
SPALMS
6
BHR
3
10位99
2021年G-ドライブ・レーシングアウルス・01SPA
Ret
PORNC0
レーシング・チーム・ネダーランドオレカ・07MNZ
3
LMSBHRBHR19位15
2022年TDSレーシング x バイヨンSEBSPALMS
4
MNZFUJBHR-*-*
2024年トヨタ・ガズー・レーシングハイパーカートヨタ・GR010 HYBRIDトヨタ H8909 3.5L V6ターボ (Hybrid)QAT
5
IMO
1
SPA
LMS
SÃO
COA
FUJ
BHR
2位*40*

ル・マン24時間レース

チームコ・ドライバー使用車両クラス周回順位クラス
順位
2019年 レーシング・チーム・ネダーランド フリッツ・ヴァン・イアード
ギド・ヴァン・デル・ガルデ
ダラーラ・P217-ギブソンLMP234026位15位
2020年 フリッツ・ヴァン・イアード
ギド・ヴァン・デル・ガルデ
オレカ・07-ギブソン34919位15位
2021年 G-ドライブ・レーシング ロマン・ルシノフ
フランコ・コラピント
アウルス・01-ギブソン35812位7位
2022年 TDSレーシング x バイヨン マティアス・ベシェ
ティメン・ヴァン・デル・ヘルム
オレカ・07-ギブソン3688位4位

ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ

エントラントクラスシャシーエンジン123456順位ポイント
2020年G-ドライブ・レーシングLMP2アウルス・01ギブソン GK428 4.2L V8LEC
2
SPALECMNZ
Ret
ALG
1
5位43
2021年CAT
4
RBR
2
LEC
1
MNZSPA
Ret
ALG
5
5位67

脚注

関連項目

外部リンク