ニコラス・マスー

ニコラス・アレハンドロ・マスー・フリル(Nicolás Alejandro Massú Frir、1979年10月10日 - )は、チリビーニャ・デル・マール出身の元男子プロテニス選手。2004年アテネ五輪で男子シングルス・男子ダブルスともに金メダルを獲得した選手である。これまでにATPツアーでシングルス6勝、ダブルス1勝を挙げている(アテネ五輪含む)。自己最高ランキングはシングルス9位、ダブルス31位。身長182cm、体重80kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。

ニコラス・マスー
Nicolás Massú
ニコラス・マスー
基本情報
フルネームNicolás Alejandro
Massú Frir
国籍 チリ
出身地 チリビーニャ・デル・マール
生年月日 (1979-10-10) 1979年10月10日(44歳)
身長183cm
体重80kg
利き手
バックハンド両手打ち
ツアー経歴
デビュー年1997年
引退年2013年
ツアー通算7勝
シングルス6勝
ダブルス1勝
生涯通算成績339勝340敗
シングルス257勝238敗
ダブルス82勝102敗
生涯獲得賞金$4,343,318
4大大会最高成績・シングルス
全豪2回戦(2005)
全仏3回戦(2004・06)
全英3回戦(2001)
全米4回戦(2005)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪2回戦(2008)
全仏ベスト4(2005)
全英2回戦(2005)
全米ベスト8(2004)
キャリア自己最高ランキング
シングルス9位(2004年9月13日)
ダブルス31位(2005年7月25日)
獲得メダル
男子 テニス
オリンピック
2004 アテネ男子シングルス
2004 アテネ男子ダブルス

来歴

マスーの家族は祖父はハンガリー人で父親はパレスチナ出身の技師、母親はハンガリー出身の家政婦であった。5歳からテニスを始め、1997年ウィンブルドン選手権1997年全米オープンジュニア男子ダブルス部門で連続優勝した。同年にプロ転向し、2000年シドニー五輪でもオリンピックのチリ選手団の旗手を務めたことがあった。

2002年2月、アルゼンチン・オープンでプロ初優勝。2004年アテネ五輪にて、フェルナンド・ゴンサレスと組んだ男子ダブルスでは決勝でドイツニコラス・キーファー/ライナー・シュットラー組を6-2, 4-6, 3-6, 7-6, 6-4で破り、シングルス決勝ではアメリカマーディ・フィッシュに6-3, 3-6, 2-6, 6-3, 6-4で勝利し、単複とも金メダルを獲得した。オリンピックのテニス競技において男子選手が単複ともに金メダルを獲得したのは、1924年パリ五輪におけるビンセント・リチャーズ以来の偉業であった。

2005年度はシーズンの早い時期に故障を抱え、シングルスでは世界ランキングを大きく落としたが全仏オープン男子ダブルスでフェルナンド・ゴンサレスとペアを組んで準決勝進出を果たしている。この年の全米オープンで、マスーは初めて4大大会の4回戦に勝ち上がり、第8シードのギリェルモ・コリアに4-6, 6-2, 7-6, 2-6, 2-6で敗れた。

2006年2月、マスーはブラジル・オープンでツアーシングルス6勝目を挙げた。しかし、この後は4度の準優勝で止まり、現時点では2007年1月の地元のチリ・オープン決勝でルイス・オルナに敗れた試合を最後に、ツアーの決勝戦から遠ざかった。

2008年北京五輪で、マスーは前回大会の金メダリストとして出場資格を与えられたが、シングルス2回戦・ダブルス1回戦敗退に終わった。

その後は世界ランキングの下降により、ATPツアー下部のATPチャレンジャーツアーへの出場が多くなった。2013年7月にエクアドルマンタのチャレンジャー大会に出場したのが最後になり、8月に33歳で現役引退を発表した[1]

ATPツアー決勝進出結果

シングルス: 15回 (6勝9敗)

大会グレード
グランドスラム (0-0)
テニス・マスターズ・カップ (0-0)
オリンピック (1-0)
ATPマスターズシリーズ (0-1)
ATPインターナショナルシリーズ・ゴールド (1-1)
ATPインターナショナルシリーズ (4–7)
サーフェス別タイトル
ハード (1–2)
クレー (5-7)
芝 (0-0)
カーペット (0-0)
結果No.決勝日大会サーフェス対戦相手スコア
準優勝1.2000年5月7日 オーランドクレー フェルナンド・ゴンサレス2–6, 3–6
準優勝2.2001年1月7日 アデレードハード トミー・ハース3–6, 1–6
優勝1.2002年2月24日 ブエノスアイレスクレー アグスティン・カレリ2–6, 7–6(5), 6–2
優勝2.2003年7月20日 アメルスフォールトクレー レーモン・スロイター6–4, 7–6(3), 6–2
準優勝3.2003年7月27日 キッツビュールクレー ギリェルモ・コリア1–6, 4–6, 2–6
準優勝4.2003年9月14日 ブカレストクレー ダビド・サンチェス2–6, 2–6
優勝3.2003年9月28日 パレルモクレー ポール=アンリ・マチュー1–6, 6–2, 7–6(0)
準優勝5.2003年10月19日 マドリードハード (室内) フアン・カルロス・フェレーロ3–6, 4–6, 3–6
優勝4.2004年7月25日 キッツビュールクレー ガストン・ガウディオ7–6(3), 6–4
優勝5.2004年8月22日 アテネ五輪ハード マーディ・フィッシュ6–3, 3–6, 2–6, 6–3, 6–4
準優勝6.2006年2月5日 ビニャ・デル・マールクレー ホセ・アカスソ4–6, 3–6
優勝6.2006年2月26日 コスタ・ド・サイペクレー アルベルト・マルティン6–3, 6–4
準優勝7.2006年4月30日 カサブランカクレー ダニエレ・ブラッチャーリ1–6, 4–6
準優勝8.2006年7月23日 アメルスフォールトクレー ノバク・ジョコビッチ6–7(5), 4–6
準優勝9.2007年2月4日 ビニャ・デル・マールクレー ルイス・オルナ5–7, 3–6

ダブルス: 3回 (1勝2敗)

結果No.決勝日大会サーフェスパートナー対戦相手スコア
準優勝1.2004年3月7日 アカプルコクレー フアン・イグナシオ・チェラ ボブ・ブライアン
マイク・ブライアン
2–6, 3–6
優勝1.2004年8月21日 アテネ五輪ハード フェルナンド・ゴンサレス ニコラス・キーファー
ライナー・シュットラー
6–2, 4–6, 3–6, 7–6(7), 6–4
準優勝2.2005年7月24日 アメルスフォールトクレー フェルナンド・ゴンサレス ルイス・オルナ
マルティン・ガルシア
4–6, 4–6

4大大会シングルス成績

略語の説明
 W  F SFQF#RRRQ#LQ A Z#PO G  S  B NMS P NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会1999200020012002200320042005200620072008200920102011通算成績
全豪オープンAA1R1RA1R2R1R1R1R1RALQ1–8
全仏オープンLQ2R1RA2R3R1R3R2RLQ2R1RA8–9
ウィンブルドンA1R3R1R2R1R2R1R1RAA1RA4–9
全米オープンLQ1R2R3R3R2R4R2R1RLQ1RAA9–9

: 2005年全米2回戦の不戦勝は通算成績に含まない

脚注

外部リンク