トニー・ファーガソン

トニー・ファーガソンTony Ferguson1984年2月12日 - )は、アメリカ合衆国男性総合格闘家カリフォルニア州オックスナード出身。チーム・デスクラッチ所属。元UFC世界ライト級暫定王者。The Ultimate Fighter 13優勝。

トニー・ファーガソン
2019年
本名アンソニー・アーマンド・ファーガソン・パディージャ
(Anthony Armand Ferguson Padilla)
生年月日 (1984-02-12) 1984年2月12日(40歳) [1]
出身地アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州オックスナード[1]
通称エル・ククイ
(El Cucuy)
国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
身長183 cm (6 ft 0 in)
体重70 kg (154 lb)
階級ウェルター級
ライト級
リーチ194 cm (76 in)
スタイルレスリング
ブラジリアン柔術
ボクシング
ムエタイ
チームチーム・デスクラッチ
トレーナーラシャド・ホロウェイ (ボクシング)
ビリー・フォヌア (ムエタイ)
エディ・ブラボー (グラップリング)
ランク10thプラネット柔術 (黒帯)
現役期間2008年 -
総合格闘技記録
試合数35
勝利25
ノックアウト12
タップアウト8
判定5
敗戦10
ノックアウト2
タップアウト3
判定5
子供1人
総合格闘技記録 - SHERDOG
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来歴

メキシコ系アメリカ人としてカリフォルニア州オックスナードに生まれ、白人の多いミシガン州で育つ。子供の頃は「耳の大きなメキシコ人」などとからかわれイジメの標的にされていた。高校時代は、レスリング野球アメリカンフットボールで活躍[2]。24歳から総合格闘技の練習を始め、2008年にプロ総合格闘技デビュー[1]

The Ultimate Fighter

2011年リアリティ番組The Ultimate Fighter」のシーズン13に参加。ブロック・レスナー率いるチーム・レスナーに所属。トーナメント1回戦でジャスティン・エドワーズ、2回戦でライアン・マッギリブレイを共にKO勝ちで下し、準決勝ではチームメイトのチャック・オニールにTKO勝ちを収め、決勝進出を果たした。

2011年6月4日、The Ultimate Fighter 13 Finaleで行われたウェルター級トーナメント決勝でラムジー・ニジェムと対戦し、左フックで1RKO勝ち。トーナメント優勝を果たし、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

UFC

2011年9月24日、UFC本戦初出場およびライト級転向初戦となったUFC 135アーロン・ライリーと対戦し、1R終了時にライリーの顎の負傷によるTKO勝ち。

2012年5月5日、UFC on FOX 3マイケル・ジョンソンと対戦し、0-3の判定負け。この試合中に腕を負傷してブランクを作った。

2013年10月19日、1年5ヶ月ぶりの復帰戦となったUFC 166でマイク・リオと対戦し、ダースチョークで1R一本勝ち。サブミッション・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

2015年2月28日、UFC 184グレイゾン・チバウと対戦し、リアネイキドチョークで1R一本勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[3]

2015年7月15日、UFC Fight Night: Mir vs. Duffeeでライト級ランキング9位のジョシュ・トムソンと対戦し、3-0の判定勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[4]

2015年12月11日、The Ultimate Fighter 22 Finaleでライト級ランキング6位のエジソン・バルボーザと対戦し、ダースチョークで2R一本勝ち。3戦連続でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞すると共に、ファイト・オブ・ザ・ナイトも受賞した[5]

2016年7月13日、UFC Fight Night: McDonald vs. Linekerランド・バンナータと対戦。1Rはバンナータの打撃に苦戦し、ハイキックを受け追撃のパンチ連打でストップ寸前まで追い詰められるも、2Rにダースチョークで逆転の一本勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[6]

2016年11月5日、UFC Fight Night: dos Anjos vs. Fergusonでライト級ランキング2位のハファエル・ドス・アンジョスと対戦。1Rは劣勢だったものの、2R以降は長いリーチを活かしたパンチとふくらはぎへのローキックで攻勢に転じて3-0の5R判定勝ち。3戦連続でファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[7]

UFC世界暫定王座獲得

2017年10月7日、UFC 216のUFC世界ライト級暫定王座決定戦でライト級ランキング7位のケビン・リーと対戦。1R終盤にマウントパンチで追い込まれるものの、2R以降は試合のペースを握り、3R終盤にはスタミナ切れを起こしたリーに三角絞めを極めて一本勝ち。暫定王座獲得に成功した[8]

暫定王座剥奪

2018年4月7日に開催されるUFC 223のUFC世界ライト級王座決定戦でライト級ランキング2位のハビブ・ヌルマゴメドフと対戦予定だったが、4月1日に行われた大会前のメディア集中インタビューの最中に、スタジオのケーブルにつまずいて外側側副靱帯を断裂[9]。負傷欠場が決まり、暫定王座を剥奪された。

2018年10月6日、UFC 229でライト級ランキング8位のアンソニー・ペティスと対戦。2Rにパンチでダウンを奪われるも、立て直した後はプレッシャーをかけ打撃でペティスを圧倒し、2R終了時にペティスの右手負傷によりコーナーストップでTKO勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[10]

2019年6月8日、UFC 238でライト級ランキング4位のドナルド・セラーニと対戦。ストライカーのセラーニを相手にスタンド勝負を挑み、2R終了後にセラーニの右目が塞がりドクターストップでTKO勝ち。2戦連続でファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[11]

2020年5月9日、UFC 249のUFC世界ライト級暫定王座決定戦でライト級ランキング4位のジャスティン・ゲイジーと対戦。2R終了直前に右アッパーでダウンを奪うも、スタンドの攻防で全体的に劣勢となり、5R終盤に左ジャブを受け後退したところでレフェリーが試合をストップしTKO負け。暫定王座獲得に失敗し、自身の連勝は12でストップした。3戦連続でファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[12]

2020年12月12日、UFC 256でライト級ランキング7位のチャールズ・オリベイラと対戦し、グラウンドの攻防で終始圧倒され0-3の判定負け。キャリア初の連敗を喫した[13]

2021年5月15日、UFC 262でライト級ランキング9位のベニール・ダリウシュと対戦し、0-3の判定負け[14]

2022年5月7日、UFC 274でライト級ランキング5位のマイケル・チャンドラーと対戦。1Rに左ストレートでダウンを奪うも、2Rに右前蹴りで失神KO負け[15]

2022年9月10日、ウェルター級復帰戦となったUFC 279ネイト・ディアスと対戦。ローキックを効かせるものの、4Rにタックルを仕掛けた際にカウンターのギロチンチョークでキャリア初の一本負け[16]。当初は同大会でリー・ジンリャンと対戦予定であったが、ディアスの対戦相手のカムザット・チマエフが前日計量でウェルター級リミットから7.5ポンド体重超過したため、ディアスとファーガソンの対戦に変更された[17]

2023年7月29日、UFC 291ボビー・グリーンと対戦し、肩固めで絞め落され3R一本負け[18]

2023年12月16日、UFC 296パディ・ピンブレットと対戦し、0-3の判定負け。7連敗となった[19]

ファイトスタイル

打撃と寝技共に優れたオールラウンダーで、スタンド、グラウンドに関わらずエルボーを多用し、寝技において今成ロールを用いて足関節を狙ったり、打撃を効かされると、ローリングを使ってペースを立て直すなど、独特なスタイルを持つファイターである。さらに、常に動き回るファイトスタイルにもかかわらず、スタミナ切れを起こすことがなく、豊富な運動量による独特なテンポの動きと型破りなスタイルで相手のペースを乱して、試合を自分のペースに持ち込む。

人物・エピソード

  • スペイン語で「子供をさらう鬼」を意味する「エル・ククイ」のニックネームを持つ。
  • 2019年3月、オレンジ郡裁判所から妻と子供への接近禁止命令を発令された。妻のクリスティーナが申請したもので、暴力や虐待など直接的な危害は加えられていないものの偏執病的な言動が見受けられることから、予防措置として治療プログラムへの参加や精神科の受診を求めていた。ファーガソンはSNS上でセラピーに通っていることを明かし、同年4月に妻によって申請が取り下げられ、ファーガソンは試合へ復帰することになった[20][21]
  • 2017年9月28日に行われたUFC 216のメディアインタビューにて、ファーガソンが記者からの質問に答えていた際に、隣に座っていたファブリシオ・ヴェウドゥムが喋り出したのを皮切りにヴェウドゥムと口論を繰り広げ、乱闘寸前の騒ぎを起こした[22]
  • 独特なトレーニングを行うことで知られ、金属製のポールを叩いて脚や腕の骨の強度を高める、パンチの上達のために野球のボールを投げる、バランスボールに乗った状態でハンマーを振るトレーニングなどを実践している[23][24]。また、創造性を制限してしまうという理由とスパーリングパートナーを傷つけることが好きではないという理由から、トレーニングで激しいスパーリングを行うことが殆どない[25]

戦績

総合格闘技

総合格闘技 戦績
35 試合(T)KO一本判定その他引き分け無効試合
251285000
102350
勝敗対戦相手試合結果大会名開催年月日
×パディ・ピンブレット5分3R終了 判定0-3UFC 296: Edwards vs. Covington2023年12月16日
×ボビー・グリーン3R 4:54 肩固めUFC 291: Poirier vs. Gaethje 22023年7月29日
×ネイト・ディアス4R 2:52 ギロチンチョークUFC 279: Diaz vs. Ferguson2022年9月10日
×マイケル・チャンドラー2R 0:17 KO(右前蹴り)UFC 274: Oliveira vs. Gaethje2022年5月7日
×ベニール・ダリウシュ5分3R終了 判定0-3UFC 262: Oliveira vs. Chandler2021年5月15日
×チャールズ・オリベイラ5分3R終了 判定0-3UFC 256: Figueiredo vs. Moreno2020年12月12日
×ジャスティン・ゲイジー5R 3:39 TKO(左ジャブ)UFC 249: Ferguson vs. Gaethje
【UFC世界ライト級暫定王座決定戦】
2020年5月9日
ドナルド・セラーニ2R終了時 TKO(ドクターストップ)UFC 238: Cejudo vs. Moraes2019年6月8日
アンソニー・ペティス2R終了時 TKO(右手の負傷)UFC 229: Khabib vs. McGregor2018年10月6日
ケビン・リー3R 4:02 三角絞めUFC 216: Ferguson vs. Lee
【UFC世界ライト級暫定王座決定戦】
2017年10月7日
ハファエル・ドス・アンジョス5分5R終了 判定3-0UFC Fight Night: dos Anjos vs. Ferguson2016年11月5日
ランド・バンナータ2R 2:22 ダースチョークUFC Fight Night: McDonald vs. Lineker2016年7月13日
エジソン・バルボーザ2R 2:54 ダースチョークThe Ultimate Fighter 22 Finale2015年12月11日
ジョシュ・トムソン5分3R終了 判定3-0UFC Fight Night: Mir vs. Duffee2015年7月15日
グレイゾン・チバウ1R 2:37 リアネイキドチョークUFC 184: Rousey vs. Zingano2015年2月28日
アベル・トルヒーヨ2R 4:19 リアネイキドチョークUFC 181: Hendricks vs. Lawler 22014年12月6日
ダニー・カスティーリョ5分3R終了 判定2-1UFC 177: Dillashaw vs. Soto2014年8月30日
菊野克紀1R 4:06 KO(右ストレート)UFC 173: Barao vs. Dillashaw2014年5月24日
マイク・リオ1R 1:52 ダースチョークUFC 166: Velasquez vs. dos Santos 32013年10月19日
×マイケル・ジョンソン5分3R終了 判定0-3UFC on FOX 3: Diaz vs. Miller2012年5月5日
イーブス・エドワーズ5分3R終了 判定3-0The Ultimate Fighter 14 Finale2011年12月3日
アーロン・ライリー1R終了時 TKO(顎の負傷)UFC 135: Jones vs. Rampage2011年9月24日
ラムジー・ニジェム1R 3:54 KO(左フック)The Ultimate Fighter 13 Finale
【ウェルター級トーナメント 決勝】
2011年6月4日
ブロック・ジャーディン4R 2:35 TKO(パンチ連打)PureCombat 12: Champions for Children
【PureCombatウェルター級王座決定戦】
2010年9月25日
デイビッド・ガードナー2R 1:52 TKO(パンチ連打)CA Fight Syndicate: Battle of the 8052010年3月26日
クリス・ケネディ1R 2:29 TKO(ドクターストップ)NFAMMA: Resurrection2009年12月18日
×ジェイミー・トニー1R 2:15 三角絞めNFAMMA: MMA at the Hyatt 32009年10月16日
ジェームス・ファンシアー5分3R終了 判定3-0Rebel Fighter2009年7月17日
デビン・ベンジャミン1R 1:08 TKO(打撃)NFAMMA: MMA at the Hyatt 22009年5月28日
ダニエル・エルナンデス1R 2:22 TKO(パンチ連打)NFAMMA: Riot at the Hyatt2009年3月5日
×カレン・ダラベジャン3分3R終了 判定0-3All Star Boxing Caged in the Cannon2009年2月6日
フランク・パーク1R 2:43 三角絞めLong Beach Fight Night 32009年1月4日
ジョー・シリング2R 2:12 リアネイキドチョークTotal Fighting Alliance 122008年9月13日
ブランドン・アダムス2R 2:18 TKO(パンチ連打)TFA 11: Pounding at the Pyramid2008年7月12日
スティーブ・アバロス2R 1:25 ギブアップ(パンチ連打)CXF: Anarchy at the Arena2008年4月12日

総合格闘技エキシビション

勝敗対戦相手試合結果大会名開催年月日
チャック・オニール3R 3:10 TKO(パウンド)The Ultimate Fighter: Team Lesnar vs. Team dos Santos2011年3月1日
ライアン・マッギリヴレイ1R 0:44 TKO(パウンド)The Ultimate Fighter: Team Lesnar vs. Team dos Santos2011年2月23日
ジャスティン・エドワーズ1R 3:57 KO(下からの蹴り上げ)The Ultimate Fighter: Team Lesnar vs. Team dos Santos2011年2月12日

獲得タイトル

表彰

  • レスリング NCWA王者(2006年)
  • UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(6回)
  • UFC ノックアウト・オブ・ザ・ナイト(1回)
  • UFC サブミッション・オブ・ザ・ナイト(1回)
  • UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(3回)
  • World MMA Awards ファイト・オブ・ザ・イヤー(2018年/アンソニー・ペティス戦)

ペイ・パー・ビュー販売件数

開催年月日イベント販売件数備考
2020年01/18_1月18日UFC 249: トニー・ファーガソン vs. ジャスティン・ゲイジー070_70万件[26]ESPN+
2017年10/7_10月7日UFC 216: トニー・ファーガソン vs. ケビン・リー020_20万件

脚注

関連項目

外部リンク

前王者
王座新設
UFC世界ライト級暫定王者

2017年10月7日 - 2018年4月7日

次王者
王座廃止