チオテルピネオール

チオテルピネオール
構造式 分子模型
IUPAC名(R)-p-メンタ-1-エン-8-チオール(許容慣用名から誘導)
別名グレープフルーツメルカプタン
分子式C10H18S
分子量170.31
CAS登録番号[83150-78-1] (R) 体
[71159-90-5] ラセミ体
融点<25 °C
沸点58 °C(0.33 mmHg)
SMILESCC1=CC[C@H]([C@](C)(S)
C)CC1

チオテルピネオール (thioterpineol)、別名グレープフルーツメルカプタン (grapefruit mercaptan) はグレープフルーツに含まれる有機化合物の一種である。チオール基(メルカプト基)を持つモノテルペンで、テルピネオールヒドロキシ基がチオールで置き換えられた構造を持つ。揮発性のあるチオールは一般的に非常に強い悪臭を持つが、チオテルピネオールのにおいは不快ではない。グレープフルーツの香りの主成分であり[1]、これは2つのエナンチオマー(鏡像異性体)のうち (R) 体に由来する[2]。最もにおい閾値の低い化合物のひとつとされ、ヒトの鼻は10−4 ppb の濃度でも感じることができる[3]

純粋なチオテルピネオール、またはこれを多く含む柑橘類由来の精油は香料や食品添加剤として利用される。チオテルピネオールは分解すると不快臭を持つ化合物を生じるため、代替品が探索されている。

参考文献

関連項目