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ダイニック株式会社は、各種クロス類・コンピュータリボン・床材・衣料芯地・不織布・ビニルクロスの製造・販売を手がける企業。本社は京都府京都市右京区と東京都港区に置く。
概要
書籍装幀用クロス(ブック・バインディング・クロス)のトップメーカーとして知られる。不織布やビニル製品にも進出し、最近では情報関連や車輛関連にも注力、コンピュータリボンやインクリボン、自動車の内装材、空調フィルターなどの分野でも伸びている。ユニークなところでは、携帯電話や音楽プレーヤーなどに使用される有機EL装置内になくてはならない除湿シートなどの新分野も生まれている。
子会社14社、関連会社3社とともにグループを構成する。
沿革
- 1919年(大正8年)- 京都市西陣にて日本クロス工業として創立する。ブック・バインディング・クロスの生産を開始する。
- 1928年(昭和3年)- 天神川工場(京都府葛野郡京極村字川勝寺小字宮ノ東1)を建設する。
- 1929年(昭和4年)- 天神川工場を拡大、本社工場として、西陣から全面移転する。
- 1932年(昭和7年)- タイプライターリボンの生産を開始する。
- 1948年(昭和23年)- 東京出張所を開設。
- 1949年(昭和24年)- ビニル製品の生産を開始する。
- 1951年(昭和26年)- 株式を上場。
- 1952年(昭和27年)- 東京工場を建設する。
- 1956年(昭和31年)- 狭山工場を建設する(1996年に埼玉工場に統合)。不織布事業に進出。
- 1957年(昭和32年)- 不織布の生産を開始する(国産初)。
- 1964年(昭和39年)- 深谷工場を建設する。
- 1966年(昭和41年)- 織物接着芯地の生産を開始する(国産初)。
- 1967年(昭和42年)- 台湾科楽史工業股份有限公司を設立。
- 1968年(昭和43年)- 「レクトラシール」の技術契約を締結。
- 1970年(昭和45年)- 真岡工場竣工。
- 1973年(昭和12年)
- 「ニックセブン」を開発。
- NC STAFLEX CO.,PTE.,LTD(シンガポール)を設立。
- 1974年(昭和49年)- ダイニック株式会社に商号変更。
- 1978年(昭和53年)5月 - 京都工場の、滋賀工場への全面移転が完了[1][注釈 1]。
- 1982年(昭和57年)- 京都および東京の2本社制を採る。
- 1996年(平成8年)- 深谷工場を拡大。東京工場を集約移転して、埼玉工場とする。
- 2003年(平成15年)- 大平製紙[注釈 2]を吸収合併する。
- 2011年(平成23年)
- 東京本社・埼玉工場において「FSC/CoC認証」を取得。
- 東京本社およびグループ2社が新橋新御成門ビルに移転。
- 2016年(平成28年)- 王子工場、食品用のアルミ箔蓋材と塗工紙の製造において「FSSC 22000(英語版)認証」を取得。
- 2019年(令和元)- 創立100周年を迎える
- 2020年(令和2年)-「ダイニック100年史」を刊行する。
- 2021年(令和3年)- 京都本社事務所を1階に開設した「ニックレジデンス京都」が完成。
グループ
- 国内
- ダイニック・ジュノ株式会社
- 大和紙工株式会社
- ニックフレート株式会社
- ダイニックファクトリーサービス株式会社
- オフィス・メディア株式会社
- 大平産業株式会社
- 海外
- 台湾科楽史工業股份有限公司
- NC STAFLEX CO.,PTE.,LTD.
- DYNIC(HK) LTD.
- DYNIC USA CORP.
- THAI STAFLEX CO.,LTD.
- DYNIC(U.K)LTD.
- 大連大尼克辧公設備有限公司
- 昆山司達福紡織有限公司
- 達妮克国際貿易(上海)有限公司
主な商品
- 出版用途
- 文具紙製品用途
- パッケージ用クロス
- ファイル・バインダー用クロス
- 手帳用クロス
- ノベルティグッズ
- 情報関連用途
- 銀行通帳用クロス
- 印字記録用品(インクリボン、熱転写リボンなど)
- 印刷用フィルム
- 磁気製品
- 名刺・葉書プリントシステム
- 有機EL用水分除去シート
- 衣料用途
- インテリア用途
- 不織布床材(ニードルパンチカーペット)
- タイルカーペット
- 人工芝
- 壁装材(壁紙)
- 養生材
- ブラインド
- 産業用途
- 車輛関連用途
- 自動車内装材(天井材、カーペット、ドア、シート材など)
- エンジンフィルター
- 生活資材用途
- 環境保全用途
- 抗菌加工製品
- リサイクル(トナーカトリッジなど)
- 生分解プラスチック
その他
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク