タカノツメ (ウコギ科)

タカノツメ(鷹の爪[5]学名Gamblea innovans)は、ウコギ科タカノツメ属の落葉小高木あるいは落葉高木雌雄異株。別名イモノキ[1]

ウコギ科
タカノツメ
分類
:植物界 Plantae
:被子植物門 Magnoliophyta
:双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱:バラ亜綱 Rosidae
:セリ目 Apiales
:ウコギ科 Araliaceae
:タカノツメ属 Gamblea
:タカノツメ innovans
学名
Gamblea innovans (Siebold et Zucc.) C.B.Shang, Lowry et Frodin (2000)[1]
シノニム
和名
タカノツメ

分布

日本特産種で、北海道南部、本州四国九州に分布し[5]、低地や丘陵地帯から山地に自生する[6]。痩せ地に多い[6]

特徴

落葉広葉樹小高木高木[5]、樹高5 - 15メートル (m) ほどになる。小枝はともに灰褐色の樹皮で滑らかである[5]。一年枝はやや細く、短枝がよく発達する点はコシアブラによく似るが、枝の髄は白くて詰まっている[5]は柔らかく、樹皮灰色で滑らかである。

小葉が3枚集まった三出複葉であるが[6]単葉、二小葉のものも混じる。葉は長枝に互生し、短枝または枝の先端に束生あるいは集中する。葉の表面は緑色で無毛であり、裏面は灰緑色。葉縁は毛状の微細な鋸歯になっており[6]、先端が急に細くなり尖る。葉柄の長さは4 - 15センチメートル (cm) 。小葉は長さ5 - 15 cmの楕円形で質は薄い。芽吹きの葉には毛がなく、つやがある[5]には美しく黄葉し、日なたではひときわ鮮やか、日陰では色が薄くなり、コシアブラに似た雰囲気となる[6]

花期は5 - 6月[5]。中心部の白い淡緑色(黄緑色)の小さなが集まった散形花序を総状につける。花弁雄蕊ともに5個ずつで、花柱は2裂する。果実は球形で直径8ミリメートル (mm) 程度の液果。9 - 10月が果期で、黒く熟す。

冬芽は緑褐色や暗紫色の芽鱗4 - 8枚にに包まれていて、頂芽は卵形や円錐形、側芽は小さい[5]。葉痕は浅いV字形で、維管束痕は7個つく[5]冬芽鷹の爪を思わせるため、この名が付けられた。

利用

若芽は山菜として食用となる[5]。他に薪炭楊枝経木マッチの軸木など様々な用途に利用される。

シノニム

脚注

参考文献

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、35頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4-8299-0187-8