ジンクス

縁起の悪い言い伝えの類

ジンクス英語: Jinx)は、縁起の悪い言い伝え。さまざまなものがあり、生活に密着した教訓・習慣・法則の一つ。科学的根拠に基づかず、経験に基づき唱えられる場合が多いため、前後即因果の誤謬に陥っているものが少なくないが、近世になってから裏付けがとれたものもあり、全てが迷信と言いきれるわけではない。また、縁起担ぎに関するものでは類感呪術的な発想も多い。

語源は不鮮明だが、ギリシア語イユンクスIynx, アリスイキツツキの一種)に起因するという説がある[1]。アリスイは、自らの首を180度回転させ真後ろを向けられるため、不吉とされてきた背景があり、しばしば魔法占いに用いられた。

なお、語義は「縁起が悪い」「運が悪い」など悪い意味であるが、日本においては良い縁起の意味でも使われることがある。

日本のジンクス

生活

政治

  • 平成以降の11回の参院選のうち、前述の第19回・20回以外は、西日本出身または選出の首相の下で行われている。
  • 首相が内閣総理大臣公邸に居住すると短命政権になる。政治家自身が公邸では精神的に休まらないためという理由でもある。しかしこのジンクスは公邸に住まなかった菅義偉が約1年という短命政権に終わった一方で、次代の内閣総理大臣である岸田文雄が1000日を越える長期政権となり、破られた[20][21]
  • 東京都知事選挙は現職の候補者が必ず当選する。[22]
    • 1991年の選挙では対立候補に主要政党本部の推薦が出ていながらも、現職の鈴木俊一が当選した例がある。[23]

経済

天候

農民、漁民などから生まれたジンクス。観天望気に基づく確率の高いものもある[35]

  • が顔を洗うと雨が降る(顔程度では降らないが、耳まで洗うと降るという人もいる)
  • ツバメが低く飛ぶと、雨が降る[35](これも曇天の時は上昇気流が起こらないので、餌になる虫が低空を飛ぶという裏付けがある)。
  • 太陽の周りに(ハロ)がかかると雨が降る[36]
  • 暖冬が予測された年、暖冬だった年に局地的な豪雪被害が発生する(2014年の山梨豪雪、2018年の石川・福井豪雪etc)。

漁業

  • 水死体に遭遇すると豊漁が訪れる。水死体は『エビス』と呼ばれ海難者の遺体のみならず、クジライルカサメトドのような海獣の亡骸も対象とされ、引き揚げられたのち手厚く葬られた。逆に、屍をぞんざいに扱うと病を患うなどの祟り神としての一面も持つという[37]
  • サンマが不漁になるとイワシが豊漁になる。(「貧乏秋刀魚に福鰯」とも言われる。)寒流に乗って泳ぐサンマが豊漁であると冷夏であることが多く、逆にイワシが豊漁である年は暖流の勢力が強く猛暑になりやすい。またそのことから、肥えたサンマが食卓に上るとコメが凶作になりやすいともいう[38]
  • 冬、激しい北西風・雨が降るとブリが豊漁になる(「鰤起こし」とも言われる。)[39]

芸能

テレビ・映画

スポーツ

  • 2年目のジンクス - ルーキーイヤーに活躍した選手は2年目に成績が一時的に低迷するというもの。しかし、2010年代以降のプロ野球においてはそのジンクスが覆されつつある[64]

オリンピック

大相撲

  • 土俵入りで「不知火型」を選んだ横綱は短命に終わる。 - 「横綱土俵入り」を参照
    • しかし、平成21年3月場所で第69代横綱・白鵬が不知火型最多となる10回目の優勝を飾り、また、横綱在位期間もそれまでの最長記録だった第36代横綱・羽黒山の記録(12年3か月。ちなみに羽黒山も不知火型である)を更新して、2021年9月場所をもって引退するまで、12年間横綱だったことからこのジンクスは破れたという声が多い。
  • 43の呪い - 大相撲において連勝記録は43で止まるというジンクスがある[注釈 15][67]

野球

高校野球

競馬

サッカー

その他の競技

将棋

日本以外のジンクス

天候

  • 朝焼けは雨の予兆。夕焼けは晴れの予兆[注釈 26](ただし西の晴天は東へ移るという根拠がある)[35]

災難

  • 黒猫が前を横切ると災厄に見舞われる(一方、イギリスでは黒猫は幸運の象徴とされる)。
    • 例としてはメジャーリーグのシカゴ・カブスが1969年9月9日ニューヨーク・メッツ戦でネクストバッターサークルにいた主将のロン・サントの後ろを黒猫が横切り、その試合を落としたのをきっかけとして、その後大失速し、最大8ゲーム差をひっくり返されリーグ優勝を逃したことなどが挙げられる(The Black Cat)[151]

ロシア

スポーツ

メジャーリーグベースボール

サッカー

  • FIFAワールドカップにおいて前年にバロンドールを受賞した選手を擁する国は優勝できない(「バロンドールの呪い」とも)
    • しかし、2021年受賞のメッシ擁するアルゼンチン2022年カタール大会で優勝し、ジンクスは破られた。ただし、2022年大会は当年のバロンドール発表後に開催されたため、直近のバロンドールを受賞した選手を擁する国は優勝できないジンクスは続いている(2022年の受賞者はカリム・ベンゼマフランス)。フランスは準優勝)。
  • ワールドカップでは、欧州で開催された大会では欧州のチームが優勝し、それ以外で開催された大会では南米のチームが優勝する。このジンクスは1958年スウェーデン大会[161]・2010年南アフリカ大会[162]・2014年ブラジル大会[163]を除けば、現在も継続中である[164]
  • ペレのW杯優勝予想は外れる[165]。また、ペレが躍進をすると予想した若手は伸び悩む。
  • FIFAワールドカップ優勝国は次回大会で苦戦する。
  • FIFAワールドカップで、韓国はグループステージ第2戦で勝ったことが無い。
  • ワールドカップにおいて、1次リーグを2位または3位で通過したチームは、優勝しにくい。優勝したのは1954・74年の西ドイツ、1978年のアルゼンチン、1982年のイタリアで、いずれも1次リーグを2位通過している。ただし、1954年以外はいずれも2次リーグが存在しており、2次リーグは1位通過している[167]
  • ワールドカップにおいて、開催経験がない国は優勝しにくい[168]
  • 直近の欧州選手権を制したチームはワールドカップで優勝しにくい[169]。優勝したのは1974年西ドイツ、2010年スペインの2回のみである。

オリンピック

その他

その他

脚注

注釈

出典

関連項目