ジョン・ミルマン

ジョン・H・ミルマンJohn H. Millman , 1989年6月14日 - )は、オーストラリアブリスベン出身の男子プロテニス選手。これまでにATPツアーでシングルス1勝を挙げている。身長183cm。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。自己最高ランキングはシングルス33位、ダブルス165位。

ジョン・ミルマン
John Millman
2019年ウィンブルドンでのジョン・ミルマン
基本情報
フルネームJohn H. Millman
国籍オーストラリアの旗 オーストラリア
出身地同・ブリスベン
生年月日 (1989-06-14) 1989年6月14日(35歳)
身長183cm
体重79kg
利き手
バックハンド両手打ち
ツアー経歴
デビュー年2006年
ツアー通算1勝
シングルス1勝
ダブルス0勝
生涯獲得賞金5,519,421 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪3回戦(2016・20)
全仏1回戦(2016–20・22)
全英3回戦(2016・19)
全米ベスト8(2018)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪3回戦(2021)
全仏2回戦(2018)
全英1回戦(2018・21)
全米2回戦(2017・21)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全豪1回戦(2016)
国別対抗戦最高成績
デビス杯ベスト4(2017)
ATP杯ベスト4(2020)
キャリア自己最高ランキング
シングルス33位(2018年10月15日)
ダブルス165位(2018年6月11日)
2022年7月24日現在

選手経歴

ジュニア時代

オーストリアブリズベンの5人兄妹(うち4人が女の子)の男の子として生まれる。4歳からテニスを始める。学生時代はブリズベングラマースクールに通っていた。

2006年 プロ転向

ジュニアグランドスラムでは2006年全豪オープンで初出場。6月にニューカレドニアで開催されたジュニアの大会で初優勝。続くフィジーニュージーランドで開催された大会でも優勝し、計3勝を挙げた。同年にプロに転向。

2008年 フューチャーズ初優勝

2008年10月にオーストリアのトララルゴンで開催されたITF男子サーキットのフューチャーズで初優勝を果たす。

2010年 チャレンジャー初優勝

2010年10月にアメリカ合衆国サクラメントで開催されたATPチャレンジャーツアーでチャレンジャー初優勝を果たす。

2013年 グランドスラム初出場

2013年ブリスベン国際でのジョン・ミルマン

2013年全豪オープン男子シングルスグランドスラム初出場を果たす。この時は伊藤竜馬に4–6, 4–6, 6–3, 6–0, 5–7のフルセットで敗れた。

2014年 怪我に見舞われる

2013年3月を最後に右肩の手術を受けて、ATPツアーを1年近く離脱。その間にツイッターを通して復帰を約束する内容を投稿した。2014年6月には世界ランキングが1193位まで大幅に降下した。

プロテニス選手としての収入がなく、生計を立てるために証券会社アルバイトをしていた。その後ATPチャレンジャーツアーで復帰して、世界ランキングを241位まで伸ばした。

2015年 トップ100入り

2015年ウィンブルドン選手権予選でのジョン・ミルマン

2015年ウィンブルドン選手権では1回戦で第19シードのトミー・ロブレドに6–2, 6–3, 6–4で勝利し、グランドスラム初勝利を挙げる。2回戦ではマルコス・バグダティスに7–6(5), 6–2, 3–6, 2–6, 4–6で逆転。この活躍で世界ランキングでトップ100入りを果たした。

2016年 リオ五輪ダブルベーグル勝利

2016年全豪オープンでは1回戦を相手のディエゴ・シュワルツマンの途中棄権で勝ち上がると、2回戦でジル・ミュラーに4–6, 6–4, 6–2, 4–6, 7–5で勝利し、初めてグランドスラム3回戦に進出。3回戦でオーストラリアの後輩バーナード・トミックに4–6, 6–7(4), 2–6で敗れた。

さらにウィンブルドン選手権でも2回戦で第26シードのブノワ・ペールに7–6(5), 6–3, 4–6, 6–2で勝利。3回戦では世界ランク2位のアンディ・マリーと対戦し、3–6, 5–7, 2–6で敗れた。

リオデジャネイロオリンピックでは1回戦でリカルダス・ベランキスを6–0, 6–0で破った。これはオリンピックでは史上初となるダブルベーグル (6–0, 6–0) である[1]。2回戦で第4シードの錦織圭に6–7(4), 4–6で敗れた。ウィンストン・セーラム・オープンでは準々決勝で第1シードのリシャール・ガスケに7–5, 6–3で勝利し、自身初のツアーベスト4に進出。準決勝で第16シードのパブロ・カレーニョ・ブスタに4–6, 6–7(5)で敗れた。

2017年 デビス杯ベスト4

5月にメストレで開催されたATPチャレンジャーツアーで初戦敗退してシーズン開始。全仏オープンでは1回戦で第17シードのロベルト・バウティスタ・アグートに2-6, 2-6, 6-0, 1-6で1回戦敗退。

ウィンブルドン選手権では1回戦で第4シードのラファエル・ナダルに1-6, 3-6, 2-6のストレートで初戦敗退したが、レキシントンで開催されたチャレンジャーでは準優勝。

全米オープンでは1回戦で第14シードのニック・キリオスに6-3, 1-6, 6-4, 6-1で初戦突破。2回戦でマレク・ジャジリも破るも、3回戦のフィリップ・コールシュライバーに敗れた。

9月には母国オーストラリア代表として、デビスカップ2017に参戦。準決勝でベルギー代表のエースであるダビド・ゴファンに破れて、チームはベスト4入りで敗退。ホーチミン市でのチャレンジャーでは決勝でミハイル・ユージニーに敗れて準優勝。ホアヒンでのチャレンジャーでは優勝して、チャレンジャー9勝目を挙げた。年間最終ランキングは128位。

2018年 全米ベスト8

全豪オープンでは1回戦でボルナ・チョリッチに5-7, 4-6, 1-6で勝利する。2回戦ではダミル・ジュムールに5-7, 6-3, 4-6, 1-6で敗れた。ATPチャレンジャーツアーである京都チャレンジャーで優勝。続く横浜チャレンジャーでは2回戦の守屋宏紀戦を前に棄権した。マイアミ・オープンでは予選を通過して、2回戦で錦織圭に敗れた。

ハンガリー・オープンではATPツアーで初めて決勝進出を果たすも、決勝はマルコ・チェッキナートに4–6, 5–7で敗れた。フランスで開催されたエクス=アン=プロヴァンス・チャレンジャーでも優勝を果たした。全仏オープンでは1回戦で第24シードのデニス・シャポバロフに5-7, 4-6, 2-6のストレートで敗れた。

ウィンブルドン選手権では1回戦でステファノ・トラヴァーリャに6-7(8), 6-3, 7-5, 6-2で勝利。2回戦では第13シードのミロシュ・ラオニッチに6-7(4), 6-7(4), 6-7(4)の全セットタイブレークのフルセットで敗れた。

全米オープンでは2回戦で第14シードのファビオ・フォニーニ、3回戦でミハイル・ククシュキンらを破り、グランドスラム初の4回戦まで駒を進める。4回戦では第2シードのロジャー・フェデラーに3-6, 5-7, 6-7(7), 6-7(3)で勝利し、グランドスラム初のベスト8進出を果たす[2]。準々決勝では第6シードのノバク・ジョコビッチに3-6, 4-6, 4-6のストレートで敗れたが、フェデラーを破る金星を挙げた。2018年10月15日の世界ランキングで自己最高の33位を更新。年間最終ランキングは38位。

2019年 ツアー準優勝

ブリスベン国際では2回戦でグリゴール・ディミトロフに敗れたが、ダブルスではベスト4入りをした。シドニー国際では準々決勝でジル・シモンに敗退して、ベスト8入り。全豪オープンでは2回戦で第22シードのロベルト・バウティスタ・アグートに3-6, 1-6, 6-3, 7-6(6), 4-6のフルセットで惜敗した。

全仏オープンでは1回戦で第5シードのアレクサンダー・ズベレフに6-7(4), 3-6, 6-2, 7-6(5), 3-6のフルセットで敗れて、1回戦を突破できなかった。ウィンブルドン選手権では3回戦進出を果たした。3回戦ではサム・クエリーに6-7(3), 6-7(8), 3-6のストレートで敗れた。

全米オープンでは第2シードのラファエル・ナダルに3-6, 2-6, 2-6のストレートで初戦敗退。ATPチャレンジャーツアーである高雄チャレンジャーでは優勝を果たして、10月のジャパン・オープンATPツアー500初の決勝進出を果たしたが[3]ノバク・ジョコビッチにストレートで敗れた[4]デビスカップ2018ではベスト8入りをして、シーズン終了。年間最終ランキングは48位。

2020年 ツアー初優勝 ATP杯ベスト4

ATPカップではオーストラリア代表として初出場。グループステージでカナダフェリックス・オジェ=アリアシムを破る活躍でチームはベスト4入りを果たした。

2020年全豪オープンでは3回戦では第3シードのフェデラーに6-4, 6-7(2), 4-6, 6-4, 6-7(8)のフルセットの末に敗れた[5]。その後は新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響によって、ツアーが一時中断された。

ツアー再開後のウエスタン・アンド・サザン・オープンでは2回戦でジョン・イズナーに敗退。全米オープンでは1回戦で第22シードのニコロズ・バシラシビリを1-6, 4-6, 4-6のストレートで勝利するも、2回戦ではフランシス・ティアフォーに6-7(6), 6-3, 6-1, 3-6, 3-6のフルセットの熱戦の末に敗退。全仏オープンでは1回戦で第17シードのパブロ・カレーニョ・ブスタに3-6, 2-6, 5-7のストレートで敗れたが、11月にヌルスルタンで行われたアスタナ・オープンでは決勝でアドリアン・マナリノを7–5, 6–1で破り、ツアー初優勝を飾った[6]。年間最終ランキングは38位。

2021年 東京五輪出場

ATPカップでは2年連続で出場するもラウンドロビン敗退。

全豪オープンでは1回戦でフルセットの末に敗退した。2021年全仏オープンは欠場。ウィンブルドン選手権では1回戦で第8シードのロベルト・バウティスタ・アグートに2-6, 6-3, 3-6, 6-7(4)で敗れた。

東京2020オリンピックではオーストラリア代表もして、シングルスでは1回戦でロレンツォ・ムゼッティを破るも、2回戦でアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナに敗退。ダブルスではルーク・サビルと組み、オーストリア代表のオリバー・マハラ/フィリプ・オスワルト組に1回戦敗退。

2021年全米オープンは1回戦敗退。ソフィア・オープンではベスト8入り。BNPパリバ・オープンでは2回戦でヤニック・シナーに敗退した。クレムリン・カップサンクトペテルブルク・オープンでもベスト8入りするも、カレン・ハチャノフテイラー・フリッツにそれぞれ敗れた。パリ・マスターズではディエゴ・シュワルツマンに敗れて、シーズン終了。年間最終ランキングは72位。

2022年

全豪オープンでは1回戦でフェリシアーノ・ロペスを6-1, 6-3, 4-6, 7-5で勝利。2回戦では第3シードのアレクサンダー・ズベレフに4-6, 4-6, 0-6のストレートで惨敗した。

デルレイビーチ・オープンでは準々決勝でグリゴール・ディミトロフを下して、ベスト4入り。準決勝ではライリー・オペルカに6-7(8), 7-6(3), 6-7(4)の全セットタイブレークの大熱戦の末に惜敗。

ATPツアー決勝進出結果

シングルス: 3回 (1勝2敗)

大会グレード
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPツアー500 (0–1)
ATPツアー250 (1–1)
サーフェス別タイトル
ハード (1–1)
クレー (0–1)
芝 (0–0)
カーペット (0–0)
結果No.決勝日大会サーフェス対戦相手スコア
準優勝1.2018年4月29日 ブダペストクレー マルコ・チェッキナート4–6, 5–7
準優勝2.2019年10月6日 東京ハード ノバク・ジョコビッチ3–6, 2–6
優勝1.2020年11月1日 ヌルスルタンハード (室内) アドリアン・マナリノ7–5, 6–1


シングルス成績

略語の説明
 W  F SFQF#RRRQ#LQ A Z#PO G  S  B NMS P NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

4大大会シングルス

大会2009201020112012201320142015201620172018201920202021通算成績
全豪オープンQ2Q3Q2Q11RA1R3RA2R2R3R1R6–7
全仏オープンAQ2AAAAQ11R1R1R1R1R0–5
ウィンブルドンAQ1Q1AAA2R3R1R2R3RNH6–5
全米オープンAQ3AAAA1R1R3RQF1R2R7–6

大会最高成績

大会成績
ATPファイナルズA出場なし
インディアンウェルズ2R2016, 2022
マイアミ2R2016, 2018, 2019
モンテカルロ2R2021
マドリード2R2019, 2021
ローマ2R2020, 2021
カナダ2R2019, 2021
シンシナティ2R2016, 2020
上海2R2019
パリ1R2018, 2020
オリンピック2R2016, 2021
デビスカップSF2017
ATPカップSF2020

脚注

外部リンク