ショーン・ペン

アメリカの俳優、映画監督 (1960 - )

ショーン・ペン(Sean Penn, 1960年8月17日 - )は、アメリカ合衆国俳優映画監督

Sean Penn
ショーン・ペン
ショーン・ペン
2013年
本名Sean Justin Penn
生年月日 (1960-08-17) 1960年8月17日(63歳)
出生地カリフォルニア州サンタモニカ
国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業俳優映画監督
ジャンル映画
活動期間1974年 -
配偶者マドンナ(1985年 - 1989年)
ロビン・ライト(1996年 - 2010年)
レイラ・ジョージ(2020年 - 2021年)
著名な家族父:レオ・ペン
母:アイリーン・ライアン
兄:マイケル・ペン
弟:クリス・ペン
娘:ディラン・ペン
主な作品
出演
初体験/リッジモント・ハイ
カラーズ 天使の消えた街
カジュアリティーズ
俺たちは天使じゃない
カリートの道
デッドマン・ウォーキング
シーズ・ソー・ラヴリー』/『ゲーム
シン・レッド・ライン
ギター弾きの恋』/『アイ・アム・サム
ミスティック・リバー』/『21グラム
ミルク』/『ツリー・オブ・ライフ
きっと ここが帰る場所
L.A. ギャング ストーリー』/『LIFE!
博士と狂人』/『リコリス・ピザ
監督
イントゥ・ザ・ワイルド
 
受賞
アカデミー賞
主演男優賞
2003年ミスティック・リバー
2008年ミルク
カンヌ国際映画祭
男優賞
1997年シーズ・ソー・ラヴリー
ヴェネツィア国際映画祭
男優賞
1998年『キャスティング・ディレクター』
2003年21グラム
ベルリン国際映画祭
銀熊賞(男優賞)
1996年デッドマン・ウォーキング
全米映画批評家協会賞
主演男優賞
2008年『ミルク』
ニューヨーク映画批評家協会賞
主演男優賞
2008年『ミルク』
ロサンゼルス映画批評家協会賞
主演男優賞
2008年『ミルク』[1]
ニュー・ジェネレーション賞
1983年バッド・ボーイズ
放送映画批評家協会賞
主演男優賞
2003年『ミスティック・リバー』
2008年『ミルク』
アンサンブル演技賞
2008年『ミルク』
ジョエル・シーゲル博愛賞
2011年
ゴールデングローブ賞
主演男優賞(ドラマ部門)
2003年『ミスティック・リバー』
セザール賞
名誉賞
2015年
全米映画俳優組合賞
主演男優賞
2008年『ミルク』
その他の賞
備考
第61回カンヌ国際映画祭 審査委員長(2008年)
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来歴

生い立ち

カリフォルニア州サンタモニカで生まれる。父レオ・ペンは俳優兼映画監督、母アイリーン・ライアンは女優。兄のマイケル・ペンは、ミュージシャンであり、エイミー・マンの夫でもある。弟のクリス・ペンも俳優だった。祖父母はリトアニア及びロシアからのユダヤ人、母はイタリア人及びアイルランド人の、父はスペイン人の血を引く。父方の旧姓はPiñon(ピニョン)であり、セファルディムの子孫とされる。

キャリア

父レオの監督する大草原の小さな家第112話『ジョーンズおじさんの鐘』にてノンクレジットながら初めて名前付きの役を演じる[2]

1979年にテレビ映画『誰がウェブスターを殺したか』で注目を集め、1981年に『タップス』で映画デビューを果たすと、翌年には『初体験/リッジモント・ハイ』で初主演を務める。

1989年の『俺たちは天使じゃない』ではロバート・デ・ニーロと、1993年の『カリートの道』ではアル・パチーノと共演。当時としては格上であった俳優達を相手に一歩も引けを取らない演技を披露し、高い評価を獲得していく。

1997年カンヌ国際映画祭にて

1995年、『デッドマン・ウォーキング』で死刑を目の前にした殺人鬼を演じると、批評家や観客から演技を絶賛され、翌年にベルリン国際映画祭男優賞を受賞、アカデミー主演男優賞に初ノミネートされる。翌年の1997年にはジョン・カサヴェテスの遺稿を映画化した『シーズ・ソー・ラヴリー』でカンヌ国際映画祭 男優賞を受賞、更にその翌年の1998年には『キャスティング・ディレクター』でヴェネツィア国際映画祭 男優賞を受賞し、3年連続受賞で世界三大映画祭の男優賞を制覇。

その後もテレンス・マリック監督の20年振りの復帰作である『シン・レッド・ライン』や、2度目のアカデミー主演男優賞ノミネートを果たしたウディ・アレン監督作品『ギター弾きの恋』等、伝説的監督の作品に連続して出演。2001年には『アイ・アム・サム』で7歳の知能しか持たない父親という難役に挑戦。観客の感涙を誘う演技を披露し、3度目のアカデミー主演男優賞ノミネートを受ける。

2003年公開のクリント・イーストウッド監督作品『ミスティック・リバー』で娘を殺されて復讐に燃える父親を演じ、4度目にして悲願となるアカデミー主演男優賞を受賞した。また、同年にはアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品『21グラム』で余命僅かながらも臓器移植を受けた男を演じ、2度目となるヴェネツィア国際映画祭 男優賞を受賞する。

2008年にはハーヴェイ・ミルクを演じた『ミルク』で2度目となるアカデミー主演男優賞を受賞。同年の第61回カンヌ国際映画祭では審査員長を務めた。

監督業

1991年の『インディアン・ランナー』以降、映画監督にも進出しており、2007年の『イントゥ・ザ・ワイルド』は自身の監督作品として最高評価を獲得し、アカデミー賞でも2部門にノミネートされた。

2022年ウクライナ危機についてのドキュメンタリー映画制作に着手し、取材の一環としてロシアのウクライナ侵攻が始まった同年2月24日に、首都キーウウクライナゼレンスキー大統領と対談。戦火のなかで安否が懸念されていたが、同月28日に公式Twitterポーランド国境に辿り着いたことを明らかにした[3]

私生活

前妻ロビン・ライトとのツーショット(2006年)

1985年に歌手のマドンナと結婚したが、4年後に離婚。1987年には飲酒運転と暴行で逮捕、6ヶ月の実刑を受けている。

1991年から女優のロビン・ライトと交際(同棲)し、1991年に長女ディラン・フランシスが、1993年に長男(ホッパー・ジャック)が誕生。1996年に結婚。おしどり夫婦として知られていたが、2007年12月に二人の離婚申請が『ピープル』誌に掲載された[4]。だが翌2008年4月に申請を撤回し復縁した[5]。2009年4月、今度はショーンの方から法的別居を申請。だが3週間後の5月下旬にはまたこの申請の取り消しを求めるなど夫婦間のゴタゴタが続いた[6]。後日、夫妻は再度離婚を申請し2010年7月正式に離婚が成立した。

捕鯨に対する抗議活動などをおこなっている環境保護団体のシーシェパードを支援している[7]

2013年から女優のシャーリーズ・セロンと交際し婚約までしたが、2015年に破局[8]

翌2016年から女優レイラ・ジョージと交際を始め、2020年に結婚[9]。結婚は三度目[10]

主な作品

出演

公開年邦題
原題
役名備考吹き替え
1981年誰がウェブスターを殺したか
The Killing of Randy Webster
ドン・フレモントテレビ映画
別題『ランディーは殺されたのか』
1981年タップス
Taps
アレックス・ドワイヤー村山明(フジテレビ版)
1982年初体験/リッジモント・ハイ
Fast Times at Ridgemont High
ジェフ・スピコリ鈴置洋孝フジテレビ版)
中村章吾VOD版)
1983年Summerspellブディ日本未公開N/A
バッド・ボーイズ
Badboys
ミック・オブライエン関俊彦テレビ東京版)
1984年クラッカーズ/警報システムを突破せよ!
Crackers
ディラード
月を追いかけて
Racing with the Moon
ヘンリー・“ホッパー”・ナッシュ / ルー日本劇場未公開
1985年コードネームはファルコン
The Falcon and the Snowman
ドールトン・リー牛山茂テレビ朝日版)
1986年ロンリー・ブラッド
At Close Range
ブラッド・ホワイトウッド.Jr(吹き替え版なし)
上海サプライズ
Shanghai Surprise
グレンドン・ウェイシー富山敬
1987年ディア・アメリカ 戦場からの手紙
Dear America: Letters Home from Vietnam
ナレーター日本劇場未公開(吹き替え版なし)
1988年Cool Blueフィルクレジット表記なし
日本未公開
N/A
カラーズ 天使の消えた街
Colors
ダニー・マクガヴァン安原義人(テレビ朝日版)
ジャッジメント・イン・ベルリン
Judgment in Berlin
グンサーX別題『ジャッジメント・イン・ベルリン 自由への扉』
日本劇場未公開
1989年カジュアリティーズ
Casualties of War
トニー・ミザーヴ軍曹納谷六朗(ソフト版)
江原正士フジテレビ版)
俺たちは天使じゃない
We're No Angels
ジム安原義人
1990年ステート・オブ・グレース
State of Grace
テリーヌーナン安原義人(ソフト版)
平田広明(テレビ東京版)
1991年Schneeweißrosenrot本人ドキュメンタリーN/A
1992年Cruise Controlジェフリー短編映画N/A
1993年The Last Party本人ドキュメンタリーN/A
カリートの道
Carlito's Way
デイヴィッド・クレインフェルドゴールデングローブ賞 助演男優賞ノミネート安原義人
1995年デッドマン・ウォーキング
Dead Man Walking
マシュー・ポンスレットベルリン国際映画祭銀熊賞 (男優賞)受賞
アカデミー主演男優賞ノミネート
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)ノミネート
大塚芳忠(ソフト版)
家中宏(テレビ東京版)
1997年ギルティ・オブ・ラブ
Loved
Man on the Hill (Michael)日本劇場未公開
シーズ・ソー・ラヴリー
She's So Lovely
エディ・クィンカンヌ国際映画祭 男優賞受賞池田秀一
Uターン
U Turn
ボビー・クーパー山路和弘
ゲーム
The Game
コンラッド・ヴァン・オートン森田順平(ソフト版)
堀内賢雄(テレビ朝日版)
土田大VOD版)
ヒューゴ・プール
Hugo Pool
奇妙なヒッチハイカー山路和弘
1998年キャスティング・ディレクター
Hurlyburly
エディヴェネツィア国際映画祭 男優賞受賞
シン・レッド・ライン
The Thin Red Line
ウェルシュ曹長山路和弘
1999年マルコヴィッチの穴
Being John Malkovich
本人クレジット表記なし
ギター弾きの恋
Sweet and Lowdown
エメット・レイアカデミー主演男優賞ノミネート
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)ノミネート
岩崎ひろし
2000年A Constant Forge本人ドキュメンタリーN/A
真夜中の銃声
Up at the Villa
ローリー・フリント日本劇場未公開
夜になるまえに
Before Night Falls
クコ・サンチェス宗矢樹頼
悪魔の呼ぶ海へ
The Weight of Water
トーマス・ジェーンズ日本劇場未公開吉見一豊
2001年DOGTOWN & Z-BOYS
Dogtown and Z-Boys
ナレータードキュメンタリー(吹き替え版なし)
The Beaver TrilogyGroovin' Larry (segment Beaver Kid 2)日本未公開N/A
Scene Smoking: Cigarettes, Cinema & the Myth of Cool本人ドキュメンタリーN/A
See How They Run本人ドキュメンタリーN/A
アイ・アム・サム
I Am Sam
サム・ドーソンアカデミー主演男優賞ノミネート
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)ノミネート
山路和弘(ソフト版)
平田広明(日本テレビ版)
2003年アンビリーバブル
It's All About Love
マルチェロ日本劇場未公開山路和弘
ミスティック・リバー
Mystic River
ジミー・マーカムアカデミー主演男優賞受賞
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)受賞
英国アカデミー賞 主演男優賞ノミネート
21グラム
21 Grams
ポール・リヴァーズヴェネツィア国際映画祭 男優賞受賞
英国アカデミー賞 主演男優賞ノミネート
家中宏
2004年リチャード・ニクソン暗殺を企てた男
The Assassination of Richard Nixon
サミュエル・J・ビック内田夕夜
2005年ザ・インタープリター
The Interpreter
トビン・ケラー山路和弘
2006年オール・ザ・キングスメン
All the King's Men
ウィリー・スターク内田直哉
2008年ミルク
Milk
ハーヴェイ・ミルクアカデミー主演男優賞受賞
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)ノミネート
英国アカデミー賞 主演男優賞ノミネート
清水明彦
Witch HuntナレータードキュメンタリーN/A
トラブル・イン・ハリウッド
What Just Happened
本人役東和良
2010年フェア・ゲーム
Fair Game
ジョゼフ・ウィルソン山路和弘
2011年ツリー・オブ・ライフ
The Tree of Life
ジャック
きっと ここが帰る場所
This Must Be the Place
シャイアン(吹き替え版なし)
2013年L.A. ギャング ストーリー
Gangster Squad
ミッキー・コーエン山路和弘
LIFE!
The Secret Life of Walter Mitty
ショーン・オコンネル
2015年ザ・ガンマン
The Gunman
ジム・テイラー兼製作
2016年アングリーバード
The Angry Birds Movie
テレンス声の出演
2019年博士と狂人
The Professor and the Madman
ウィリアム・マイナー山路和弘
2021年リコリス・ピザ
Licorice Pizza
ジャック・ホールデン(吹き替え版なし)
2022年フラッグ・デイ 父を想う日
Flag Day
ジョン・ヴォーゲル兼監督
TBABlack FliesGene Rutkovsky兼製作

監督

公開年邦題
原題
主演
1991年インディアン・ランナー
The Indian Runner
ヴィゴ・モーテンセン
1995年クロッシング・ガード
The Crossing Guard
ジャック・ニコルソン
2001年プレッジ
The Pledge
ジャック・ニコルソン
2002年11'9''01/セプテンバー11
11'09'01 - September 11
アーネスト・ボーグナイン
2007年イントゥ・ザ・ワイルド
Into the Wild
エミール・ハーシュ
2016年ラスト・フェイス
The Last Face
シャーリーズ・セロン
2021年フラッグ・デイ 父を想う日
Flag Day
ショーン・ペン

日本語吹き替え

Uターン』以降、山路和弘が主に吹き替えている。同業者間でも高い評価を得ている配役であり、『LIFE!』がザ・シネマで新録吹替が制作された際には殆どの声優陣が一新された中で、旧録版における山路のペンのシンクロ度が高かったことから唯一の続投となった[11]

このほかにも、安原義人平田広明家中宏なども複数回、声を当てている。

脚注

外部リンク