ザ・クリミナル 合衆国の陰謀

ザ・クリミナル 合衆国の陰謀』(ザ・クリミナル がっしゅうこくのいんぼう、原題: Nothing But the Truth)は、2008年アメリカ合衆国社会派ドラマ映画。監督はロッド・ルーリー、出演はケイト・ベッキンセイルマット・ディロンなど。2003年にアメリカで実際に起きた「プレイム事件」をもとに、情報源守秘という自らの信念を貫いてアメリカの国家権力と対立することとなった女性記者(モデルは『ニューヨーク・タイムズ』の記者ジュディス・ミラー)を描いたフィクションである[3]。しかしながら、「プレイム事件」ではCIAのスパイの情報の暴露が合衆国政府主導で行われ「情報が公開されたCIAスパイ 対 合衆国政府」という図式になっているが、本作品では女性記者が独自に秘密を取得し「女性記者 対 合衆国政府」という図式となっている。

ザ・クリミナル 合衆国の陰謀
Nothing But the Truth
監督ロッド・ルーリー
脚本ロッド・ルーリー
製作ボブ・ヤーリ
マーク・フライドマン
ロッド・ルーリー
製作総指揮ジェームズ・スパイス
デニス・ブラウン
デヴィッド・C・グラッサー
ウィリアム・J・イマーマン
出演者ケイト・ベッキンセイル
マット・ディロン
ヴェラ・ファーミガ
デヴィッド・シュワイマー
アンジェラ・バセット
ノア・ワイリー
アラン・アルダ
音楽ラリー・グループ英語版
撮影アリク・サカロフ英語版
編集セーラ・ボイド
製作会社ヤーリ・フィルム・グループ
配給アメリカ合衆国の旗 ソニー・ピクチャーズ・ホーム・エンタテインメント/ヤーリ・フィルム・グループ
日本の旗 ファインフィルムズ
公開カナダの旗 2008年9月8日 (トロント国際映画祭)
アメリカ合衆国の旗 2008年12月19日ニューヨーク市限定)
上映時間107分
製作国アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$11,500,000[1]
興行収入世界の旗 $409,832[2]
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日本では劇場未公開だが、2012年4月3日ハピネットからDVDが発売された[4]

製作会社のヤーリ・フィルム・グループがこの作品の完成直後に破産してしまったため、米国内ではプレミア試写を行ったのみで劇場での一般公開はされずお蔵入りとなった。その後、何カ国かで一般公開はされたが、宣伝が全くなされなかったため収益を上げられない不遇な公開となった。米国では、2009年4月28日ソニー・ピクチャーズ・ホーム・エンタテインメントから、監督の音声解説や削除シーンが収録されたDVDが発売されている。プレミア試写の段階では好意的な批評を多く受けただけに大変不幸な作品と言える[5]

ストーリー

アメリカ大統領暗殺未遂事件が発生し、米国政府はベネズエラ政府の陰謀として報復攻撃を始める。しかし、『サンタイムズ』紙の女性記者レイチェルは、ベネズエラの関与を否定する報告文書があったにもかかわらず政府がそれを握り潰したとする事実を掴んで記事にする。記事は大スクープとして反響を集めるが、レイチェルは政府からの情報提供開示請求を拒否したことから、法廷を侮辱したとして判事の判断で収監されてしまう。『サンタイムズ』紙の全面的なバックアップを受け、レイチェルは国家権力と戦うことになる。一方、レイチェルの記事によって、ベネズエラの関与を否定する報告をあげたCIAのスパイであることを暴かれたエリカが右翼の男に射殺される事件が起きる。激しいショックを受けたレイチェルだったが、それでも情報提供者の名前を明かそうとはしない。レイチェルの一件は最高裁で争われることになる。弁護士バーンサイドは「表現の自由」と「メディアの役割」を強く訴えるものの、国の安全保障が優先されるとしてレイチェルの訴えは退けられる。レイチェルの収監は1年に及び、遂には夫レイとも離婚、息子ティミーの親権も奪われてしまう。それでも情報提供者を明かそうとしない彼女に、ホール判事は収監に意味がないとして釈放を決めるが、納得できないFBI特別検察官デュボアは、釈放直後のレイチェルを改めて法廷侮辱罪で逮捕する。真実を明かせば5年の刑期が2年に減刑されるよう計らうが、拒むのならば情報漏洩がエリカの死を招いたことについて法廷で徹底的に糾弾すると詰め寄るデュボアに対し、レイチェルは条件付きで取引に応じる。2年の実刑を受けることになったレイチェルは刑務所へ向かうバスの中で、エリカがCIAのスパイであることを初めて知った時のことを思い出す。それはレイチェルの息子ティミーの同級生でエリカの娘であるアリソンとの何気ない会話だった。つまり、情報提供者はエリカの幼い娘だったのだ。

キャスト

括弧内は日本語吹き替えキャスト[6]

出典

関連項目

外部リンク