サンマリノの執政

サンマリノの国家元首

執政(しっせい、イタリア語: Capitani Reggenti di San Marino)は、サンマリノ国家元首独裁化を防ぐため、執政は常に2名と規定されている。

サンマリノの旗 サンマリノ共和国
執政
Capitani Reggenti di San Marino
現職者
アレッサンドロ・ロッシ英語版
ミレーナ・ガスペローニ英語版

就任日 2024年4月1日
種類元首
呼称閣下
所在地公共宮殿
任命大評議会
任期6ヶ月(連続再選禁止)
根拠法令サンマリノ共和国憲法
創設13世紀
俸給月額 6,000 ユーロ[1]

執政は指導者として、世界最短の任期である6ヶ月で交代しなければならない。執政は議会に相当する大評議会で選出され、就任式は毎年4月1日10月1日に行われる。少なくとも1243年から慣例が続いている[2]。相互で法案に対する拒否権を持ち、内閣に相当する行政評議会の議長を務める。執政の補佐は外務・国際経済協力・通信長官が担っている[3]。非常時大権として、議会解散権が付与されている。

概要

1910年に描かれた執政の絵画
執政の椅子

初期の執政は治安判事としての職責も兼ねていたが、時代の変化に合わせ、大評議会に職責が分担される。確証された記録の中で初代執政は、1243年に就任したオッドーネ・スカリート英語版フィリッポ・ダ・スペルテトイタリア語版とされる。13世紀末には執政の一方を国家元首、一方を政府代表とする慣例が作られた。1868年以来、執政就任者は就任式でサンマリノ騎馬勲章イタリア語版グランドマスターの正装の着用が義務付けられている[4]1981年マリア・レア・ペディーニ=アンジェリーニが同国初の女性執政として就任して以降、18人の女性執政が誕生している。

在職中は不逮捕特権が与えられているが、非行のあった前執政は、退任後3日以内に国民から訴追される可能性がある。この制度を執政シンジケートイタリア語版と言われている。

選出規定

現代の執政

執政は大評議会による間接選挙により選出され、連続再選は3年間禁止。執政選挙に立候補するためには、25歳以上のサンマリノ国民であり、大評議会議員でなければならない。就任後、アレンゴという儀式が執り行われる。

歴代執政

1243年-2000年

2001年以降

就任月執政氏名
2001年4月ルイージ・ロンフェルニーニファビオ・ベラルディ
10月アルベルト・チェケッティジーノ・ジョバニョーリ
2002年4月アントニオ・ラザロ・ヴォルピナーリジョバンニ・フランチェスコ・ウゴリーニ
10月マウロ・キアルッツィジュゼッペ・マリア・モルガンティ
2003年4月ピエール・マリーノ・メニクッチジョバンニ・ジャンノーニ
10月ジョバンニ・ロンフェルニーニヴァレリア・チャバッタ
2004年4月パオロ・ボリーニマリノ・リッカルディ
10月ジュゼッペ・アルツィッリロベルト・ラッシ
2005年4月ファウスタ・モルガンティチェーザレ・ガスペローニ
10月クラウディオ・ムッチョーリアントネッロ・バッチョッキ
2006年4月ジャンフランコ・テレンツィロリス・フランシーニ
10月アントニオ・カラットーニロベルト・ジョルジェッティ
2007年4月アレッサンドロ・ロッシアレッサンドロ・マンチーニ
10月ミルコ・トマソーニアルベルト・セルバ
2008年4月ローザ・ザフェラーニフェデリコ・ペディーニ・アマティ
10月アスンタ・メローニエルネスト・ベネデッティニ
2009年4月マッシモ・チェンチオスカル・ミナ
10月フランチェスコ・ムッソーニステファノ・パルミエリ
2010年4月マルコ・コンティグラウコ・サンソヴィーニ
10月ジョバンニ・フランチェスコ・ウゴリーニアンドレア・ザッフェラーニ
2011年4月マリア・ルイーザ・ベルティフィリッポ・タマニーニ
10月ガブリエレ・ガッティマッテオ・フィオリーニ
2012年4月イタロ・リギマウリツィオ・ラッティーニ
10月テオドロ・ロンフェルニーニデニス・ブロンゼッティ
2013年4月アントネッラ・ムラローニデニス・アミシ
10月ジャン・カルロ・カピッキオーニアンナ・マリア・ムッチョーリ
2014年4月ヴァレリア・チャバッタルカ・ベッカーリ
10月ジャンフランコ・テレンツィゲリーノ・ザノッティ
2015年4月アンドレア・ベルッツィロベルト・ベントゥリーニ
10月ロレッラ・ステファネッリニコラ・レンツィ
2016年4月ジャン・ニコラ・ベルティマッシモ・アンドレア・ウゴリーニ
10月マリノ・リッカルディファビオ・ベラルディ
2017年4月ミマ・ザヴォリヴァネッサ・ダンブロシオ
10月マッテオ・フィオリーニエンリコ・カラットーニ
2018年4月ステファノ・パルミエリマッテオ・チャッチ
10月ミルコ・トマソーニルカ・サントリーニ
2019年4月ニコラ・セルバミケーレ・ムラトーリ
10月ルカ・ボスキマリエラ・ムラローニ
2020年4月アレッサンドロ・マンチーニグラツィア・ザフェラーニ
10月アレッサンドロ・カルデッリミルコ・ドルチーニ
2021年4月ジャン・カルロ・ヴェントゥリーニマルコ・ニコリーニ
10月フランチェスコ・ムッソーニジャコモ・シモンチーニ
2022年4月オスカル・ミナパオロ・ロンデッリ
10月マリア・ルイーザ・ベルティマヌエル・チャバッタ
2023年4月アレッサンドロ・スカラーノアデル・トンニーニ
10月フィリッポ・タマニーニガエターノ・トロイーナ
2024年4月アレッサンドロ・ロッシミレーナ・ガスペローニ

脚注

出典

関連項目

外部リンク