グレーン

質量の単位
グレインから転送)

グレーン(grain)は、ヤード・ポンド法における質量単位であり、正確に 0.064 798 91グラムである。グレインゲレインとも書かれる。ヤード・ポンド法の質量の単位には3種類の系統(常衡トロイ衡薬衡)があるが、現在では、グレーンはどの系統でも共通して同じ質量であり、常用(または常衡)ポンドの正確に7000分の1、トロイポンドの正確に5760分の1である。

グレーン
grain

大麦の粒
記号gr
度量衡ヤード・ポンド法
質量
SI0.064 798 91 g (正確に)
定義(1/7000)常用ポンド(正確に)
由来大麦の種1粒の重さ
語源古フランス語 grein(穀物)
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日本の計量法体系では、グレーンは限られた用途にのみ使用することができる[1]

概要

グレーンは、もともとメソポタミア地方において大麦の穂の中央からとれた種1粒の重さとして定義された。今日でも"grain"には穀物という意味がある。かつては、ポンドとグレーンとは別々の単位であり、その換算値は様々であったが、1574年に商人と金細工職人からなる委員会が調査して、1常用ポンドがほぼ7000グレーンに等しいことが確認された[2]。その後、1758年の法令によって1常用ポンド = 正確に7000グレーンと定められた[3]

1959年7月1日以降、1グレーンは正確に 0.064 798 91グラム(64.798 91ミリグラム)である。これは、英米などの6カ国による1958年の国際協定で、常用(常衡)ポンドが7で割り切れるように、0.453 592 37 kgと定義されたからである[4]。この、国際協定で定義されたポンドは「国際ポンド」と呼ばれている。

今日ではグレーンは、弾丸火薬の質量を量るのに用いられている。以前は錠剤の質量の計量にも用いられていた。近代の硬貨の量目の単位としても用いられた。例えば1871年に制定された新貨条例では硬貨の量目をグラムとグレーンで併記しており、中でも貿易銀はグレーンを基準に量目を定めた。真珠ダイヤモンドの質量の計量には「メートル法グレーン(metric grain)」または「真珠グレーン(pearl grain)」という単位が用いられる。これは50ミリグラム(1/4カラット)に等しい。

記号

グレーンの単位記号は、gr である。日本の計量法体系でも同じである[5]。なお、蘭学者の宇田川玄真は「遠西医方名物考」においてグレーンの表記のためにローマ字のGに倣って「𬼗(U+2CF17[6]、氏の横棒を外した形)」という字を作成した[7]。他に「喱」[8]とも漢字表記された。

出典

参考文献

関連項目

質量の単位
キログラム
SI単位)
グレーン常用オンス常用ポンド
1 kg= 1≈ 15432≈ 35.274≈ 2.2046≈ 266.67≈ 1.6667≈ 0.26667
1 gr= 0.00006479891= 1≈ 0.0022857≈ 0.00014285≈ 0.0172797≈ 0.000107998≈ 0.0000172797
1 oz= 0.028349523125= 437.5= 1= 0.0625≈ 7.5599≈ 0.047249≈ 0.0075599
1 lb= 0.45359237= 7000= 16= 1≈ 120.96≈ 0.75599≈ 0.12096
1 匁= 0.00375≈ 57.871≈ 0.13228≈ 0.082673= 1= 0.00625= 0.001
1 斤= 0.6≈ 9259.4≈ 21.164≈ 1.3228= 160= 1= 0.16
1 貫= 3.75≈ 57871≈ 132.28≈ 8.2673= 1000= 6.25= 1