クロエ

女性の名前 (Chloe)

クロエ (Chloe, Chloë, Chlöe, Chloé フランス語発音: [klɔe] 英語発音: [ˈkloui], ギリシア語: Χλόη) は、ヨーロッパ系の女性名。

クロエ
ギリシア語: Χλόη
豊穣の女神デメテル
別称の1つに「クロエ」がある[1]
題名『ケレス』作者:オズマール・シンドラー、制作年:1900-1903。
発音ギリシア語発音: [ˈxlo.i]
女性
起源ギリシア語
意味デメテルの叙事詩、緑の茂み、新芽など[1]
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概要

ギリシア語で「緑の若い穂」「新緑」「新芽」「若草」「若枝」など、若い植物に関連する意味を持つ女性の名前である[1]ギリシア神話の豊穣の女神であるデメテルの持つ多くの別称の1つでもある[1][2]。デメテルの叙事詩に関連し、「開花」「野原の緑の守護者[注 1]」「豊穣[注 2]」などの意味も持つ[4][5]。また、古代ギリシアの恋愛物語『ダフニスとクロエ』に登場することで知られる[6]。そして、新約聖書コリントの信徒への手紙一1章11節にも「クロエの家」という表現で登場する[7][8]

クロエはもともとは「輝く」「黄金」「黄色」「緑色」などを表すインド・ヨーロッパ祖語語根「*ǵʰelh₂-」に由来すると考えられる[9][10]。なお、葉緑素「クロロフィル (Chlorophyll)」などに付く英語の科学的接頭辞「クロロ-(Chloro-)」も、同じ語根の「*ǵʰelh₂-」から派生したとされるギリシア語の「クロロス(Χλωρός, Khloros)」から由来する[11]。クロロスは春の植物に関連し、「薄緑色の」「黄緑色の」「新鮮な」「みずみずしい」などを意味する[1]

クロエは人気のある古代ギリシア語の女性の名前であり、地域によっては今も人気が高い[12]。1990年代初頭からイギリスで非常に人気があった。北アイルランドでは、1997年から2002年までの新生児の名前で最も人気があった[13]。アメリカでは女児の名前ランキングで2002年にトップで2010年には10位以内だったが[14]、2016年までの間に20位となる[15]。フランスでは2022年に女児名前ランキングが8位だった[16]。オーストラリアのニューサウスウェールズ州では2021年に8位であった[17]

実在の人物

架空のキャラクター

その他

脚注

注釈

出典

参考文献

古川晴風『ギリシャ語辞典』大学書林、1989年9月1日。ISBN 978-447-5-00120-5 

関連項目