プラトンの著作 (プラトン全集) |
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『クリティアス』(希: Κριτίας、英: Critias)は、プラトンの後期対話篇の1つであり、『ティマイオス』の続編。未完。副題は「アトランティスの物語」。
年代不詳、ある年のパナテナイア祭が行われている夏のアテナイの、ソクラテスの家にて[3]。
『ティマイオス』におけるティマイオスの話が終わった直後から、話が始まる。次にクリティアスが、『ティマイオス』でも触れたアトランティスの話について、詳細を述べていくことになる。が、中断、未完となっている。
作中、クリティアスが話をはじめる前のやり取りの中で、クリティアスの次にはヘルモクラテスにも話をしてもらうことが予告されているので[4]、本篇の続編として、『ヘルモクラテス』という対話篇が予定されていたことが分かる。
『ティマイオス』の流れを受け、クリティアスが「アトランティス伝説」の詳細を語り始める。
まず先に、全大地の内、アテナとヘパイストスに分配された9000年前のアテナイについて語られ、それは現在(古代当時)のアテナイよりも肥沃で広大な土地を持ち、ソクラテスの理想国家論のように職人、農民、国の守護者たる軍人階層などに分かれ、正しい統治が行われ、その徳は周辺地域へと知れ渡っていたと説明される。
続いて、ポセイドンに分配された大島・アトランティス島について語られ、ポセイドンが原住民の女性を娶って5組の双子の男児をもうけ、その10人を各地を治める王とし、その10人の王権の下、アトランティスは莫大な富と覇権を築いて繁栄したこと、しかし代を経るごとに王たちは神性(徳)を失っていったので、ゼウスが彼らを懲らしめようとしたことなどが説明されるが、そこで記述は中断し、未完に終わっている。