エリトリアディクディク

エリトリアディクディク(Madoqua saltiana)はアフリカの角の半砂漠地帯、森林地帯、茂みに生息する小さなアンテロープの一種で、ケニア北部やスーダン東部にも少数生息している[1] 。19世紀初頭にエチオピア帝国で発見され、英語名のSalt's dikdikは、その発見者、ヘンリー・ソルトにちなんで名付けられた[2][3]

エリトリアディクディク
エリトリアディクディクの剥製
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:哺乳綱 Mammalia
:鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
:ウシ科 Bovidae
:ディクディク属 Madoqua
:エリトリアディクディク M. saltiana
学名
Madoqua saltiana
Desmarest, 1816

説明

エリトリアディクディクは体長52 - 57センチメートル(20 - 26インチ)、体高33 - 41センチメートル(13 - 16インチ)、体重2.5 - 4.0キログラム(5.5 - 8.8ポンド)である[4]。他のディクディクのように、先の尖った小さな角はオスにだけついている[5]。体色は亜種によってかなり異なる。

分類

近い関係であるシルヴァー・ディクディクとともに、エリトリアディクディクはMadoqua(ディクディク)属のMadoqua(ディクディク)という亜属である(他のディクディクは同様にMadoqua(ディクディク)属であるが、Rhychotragusという亜属である)[6][7]。この亜属の分類学は複雑で、議論の対象となっている。今日、最も広く使われているディクディクの分類における扱いは1978年の検討に基づいているが、[8][9]1972年の検討では、かなり異なった扱いが提示されている[6] 。1978年の検討では、silver dik-dikは別の単型として扱われ、エリトリアディクディクは五つの亜種を持つとされた[4][9]

  • M. s. saltiana : エチオピア北部からエリトリア、そしてスーダンの極東部で見られ、比較的大きく、背中は赤みがかった灰色である。
  • M. s. hararensis : エチオピア東部のハラリ地方で見られ、背中は赤褐色で、脇腹は赤黒い。
  • M. s. lawrenci : ソマリア東部および南東部で見られ、背中は銀色で、脇腹はあずき色である。
  • M. s. phillipsi : ソマリア北部で見られ、背中は灰色で、脇腹はオレンジ色である。
  • M. s. swaynei : エチオピア南部のジュバ川の谷の地域、ソマリア南部、ケニア極北部で見られ、背中は茶色がかった灰色である。

2003年に上記のそれぞれの種は進化学的種を表すということを提案されたが、[10] 現在、ほとんどの人はこれらが亜属であるという認識を保っている[1][9]。しかし、1972年の検討は上記のものとかなり異なる。1972年の検討での扱いのもとでは、エリトリアディクディク (saltianacordeauxiという亜種をもつ)、 Phillip's dik-dik (phillipsigubanensishararensis そしてlawrenceiという亜種を持つ) そして、Swayne's dik-dik (swayneierlangeriそしてpiancentiniiという亜種を持つ)の三種はMadoqua(ディクディク)という亜属として認識されている[6]。1978年、cordeauxi, gubanensisそしてerlangeri といったタクソンは完全に無効であると見なされた[8]

行動

エリトリアディクディクは内気な動物である。昼時の暑さを避けるため、夜や夕暮れに活発に活動し、薄明薄暮性の動物であると考えられている。集団では支配的なディクディクは頭頂部の毛をたてている。エリトリアディクディクはだいたい一組か小さなグループでみられ、主にアカシアの木の葉や芽を食べる。この種の生殖行動についてはあまり分かっていない。

参照

外部リンク