エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(原題: Everything Everywhere All at Once; 和訳: 「同時に至るところに全て」)は、2022年製作のアメリカ合衆国のSF映画。ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートが脚本・監督を担当した。出演はミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スー、ジェニー・スレイト、ハリー・シャム・ジュニア、ジェームズ・ホン、ジェイミー・リー・カーティス。
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス | |
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Everything Everywhere All at Once | |
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監督 | ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート |
脚本 | ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート |
製作 | アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ マイク・ラロッカ ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート ジョナサン・ワン ピーター・タム・リー |
出演者 | ミシェル・ヨー キー・ホイ・クァン ステファニー・スー ジェニー・スレイト ハリー・シャム・ジュニア ジェームズ・ホン ジェイミー・リー・カーティス |
音楽 | サン・ラックス |
撮影 | ラーキン・サイプル |
編集 | ポール・ロジャーズ |
製作会社 | IACフィルムズ AGBO イヤー・オブ・ザ・ラット レイ・ライン・エンターテインメント |
配給 | ![]() ![]() |
公開 | ![]() ![]() ![]() |
上映時間 | 140分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 英語 官話 広東語 |
興行収入 | ![]() ![]() ![]() |
2022年3月11日に開催されたサウス・バイ・サウスウエスト映画祭のオープニングを飾った[2]。日本での略称は「エブエブ」[3]、海外での略称は「EEAAO」となっている。
2023年3月12日にロサンゼルス近郊のハリウッドで開催された第95回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演女優賞など7部門を受賞した[4]。
あらすじ
コインランドリーや家族の問題と、トラブルを抱えるエヴリン。ある日、夫に乗り移った「別の宇宙の夫」から全宇宙の命運を託されてしまう。そして彼女はマルチバースに飛び込み、カンフーの達人の「別の宇宙のエヴリン」の力を得て、マルチバースの脅威ジョブ・トゥパキと戦うこととなる。
キャスト
- エヴリン・ワン・クワン
- 演 - ミシェル・ヨー
- 吹替 - 塩田朋子[5]
- コインランドリーを経営する女性。マルチバースの他のバースでは、カンフーの達人、歌手、シェフなど、様々なバージョンの彼女が存在する。
- 映画本編では明言されていないが、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を患っているという設定になっている[6][7]。
- 劇中では広東語(ネイティブ)、マンダリン(官話)、英語を話す。
- ジョイ・ワン / ジョブ・トゥパキ
- 演 - ステファニー・スー
- 吹替 - 種﨑敦美[5]
- エヴリンとウェイモンドの娘。エヴリンからはいつも「太り過ぎ」と注意を受けている。他のバースにおいて、マルチバースへの脅威となるジョブ・トゥパキとして行動を起こしている。
- 劇中では英語を話す。
- ウェイモンド・ワン
- 演 - キー・ホイ・クァン
- 吹替 - 水島裕[5]
- エヴリンの夫。エヴリンとは過去、駆け落ちして結婚した。間が抜けたところがあるが、善良で優しい人物。IRSを訪れた際に、「別の宇宙の夫」を名乗り、エヴリンを導く。
- 劇中ではマンダリン(ネイティブ)、英語を話す。
- ゴンゴン
- 演 - ジェームズ・ホン
- 吹替 - 佐々木睦[5]
- エヴリンの厳しい父親。高齢により車椅子で移動している。
- 劇中では広東語を話す。なおゴンゴンは漢字で書けば「公公」で、広東語で母方の祖父の意味。
- ディアドラ・ボーベアドラ
- 演 - ジェイミー・リー・カーティス
- 吹替 - 幸田直子[5]
- IRSの監察官。不正を見抜くことが評価され、いくつも表彰されている。別のバースでは、エヴリンとパートナーになっている。
- ベッキー・スリガー
- 演 - タリー・メデル
- ジョイのガールフレンド。ゴンゴンの世話を買って出る。
- デビー・ザ・ドッグ・マム / ビッグ・ノーズ
- 演 - ジェニー・スレイト
- コインランドリーの顧客。
- キャラクターの元の名前(「ビッグ・ノーズ」)は、ユダヤ人のステレオタイプとの関連性から、デジタルリリース時に変更された[8]。
- チャド
- 演 - ハリー・シャム・ジュニア
- 吹替 - 武内駿輔[5]
- 別のバースでエヴリンと一緒に働く鉄板焼きシェフ。優秀なシェフだが、その器用さには秘密がある。
製作
ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートによる「異次元間アクション映画」にミシェル・ヨーとオークワフィナが出演し、アンソニーとジョー・ルッソが製作を担当することが2018年8月に発表された[9]。
当初、この脚本はジャッキー・チェンが主演を務めることを想定して書かれていたものだったが、ヨーに変更したため、内容が大幅に書き換えられることになった[10]。
本作は、2019年3月に税額控除を受け、カリフォルニア州で撮影することになった[11]。同年9月には、クワンとシャイナートが、本作の製作に対してゴーサインを待っている状態だと述べた[12]。
しかし、オークワフィナは2020年1月にスケジュールの都合でプロジェクトから外れた。ステファニー・スー、ジェームズ・ホン、キー・ホイ・クァン、ジェイミー・リー・カーティスがキャストに追加され、オークワフィナの代わりにスーが出演することになった。撮影は2020年1月に始まり、A24が本作の配給権を獲得した[13]。
監督のダニエルズは「湯浅政明や今敏、宮崎駿などといった、日本のアニメ監督からインスピレーションを受けて作った」とコメントしている。また、SF映画『2001年宇宙の旅』や香港映画『花様年華』、ディズニー(ピクサー)映画『レミーのおいしいレストラン』など、複数の著名映画作品のパロディシーンも登場している[14][15]。
公開
日本
日本では第95回アカデミー賞発表の9日前となる2023年3月3日に公開された[16]。
日本国内でのソフトレンタル・販売についてはデジタル配信が先行する形で2023年5月3日からU-NEXTでレンタル配信を開始した[17]。Blu-ray・DVDなどは同年9月6日に発売予定で日本語吹替版も収録することを同年6月に発表した[5][18]。
定額制動画配信サービスでは2023年9月3日からNetflixにて独占配信することが同年8月に発表された[19]。
上映禁止
評価
第95回アカデミー賞で11部門でノミネートされ、アジア人女性初の主演女優賞をはじめ、作品賞、監督賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、編集賞の計7部門で受賞した(演技部門における三冠達成は、1951年の『欲望という名の電車』と1976年の『ネットワーク』に次いで、3度目となる)[4]。『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003年)を上回り、史上最も多くの賞を獲得した映画となった[21]。また、アカデミー作品賞を受賞した初めてのSF映画でもある[22]。
配給のA24は、映画で使われた衣装や小道具をチャリティーとしてオークションに出品し、収益の全額がランドリーワーカー支援団体、アジア系のためのメンタルヘルス・プロジェクト、そしてトランスジェンダー支援団体に寄付された[23]。また、日系アメリカ人のシャーリー・クラタがデザインした一部の衣装は映画芸術科学アカデミーのコレクションとして収蔵されたことが2023年6月に報じられた[24]。
2023年5月、本作で主演を務めたミシェル・ヨーは同月開催のカンヌ国際映画祭に合わせて行われたエンターテイメント専門誌『バラエティ』との単独インタビューにおいて、続編を製作することについて、「同じことをやるだけだ」として、否定している[25]。
脚注
出典
関連項目
- ニヒリズム
- 実存主義
- オブジェクト指向存在論
- 動眼
- エブリシングベーグル
外部リンク
- Everything Everywhere All At Once - A24
- 映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト - ギャガ株式会社
- 映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式 (@eeaaojp) - X(旧Twitter)
- 映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式 (@eeaaojp) - Instagram
- 映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』2023年3月3日(金)公開 - YouTubeプレイリスト(ギャガ公式チャンネル)
- エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス - allcinema
- エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス - KINENOTE
- エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス - 映画.com
- Everything Everywhere All at Once - IMDb