インフィニティ・QX

インフィニティのSUV型乗用車

QXは、日産で製造、インフィニティブランドで販売していたスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)である。

初代 JR50型 (1996-2003年)

QX4
JR50型
前期型
後期型
概要
別名日産・テラノレグラス (日本)
製造国 日本
販売期間1996年 - 2003年
ボディ
乗車定員5名
ボディタイプ5ドアSUV
エンジン位置フロント
駆動方式後輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジンVG33E 3,274 cc V型6気筒SOHC
VQ35DE 3,498 cc V型6気筒DOHC
変速機4AT
サスペンション
ダブルウィッシュボーン式
5リンクコイルリジッド
車両寸法
ホイールベース2,700 mm
全長4,670 mm (前期型)
4,650 mm (後期型)
全幅1,840 mm
全高1,795 mm
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R50型テラノパスファインダー)をインフィニティ向けにデザインし直したもので、インフィニティブランドとしては初のSUVである。アキュラ・SLXおよびレクサス・LX発売の約1年後である1996年に1997年モデルとして投入された。これを日本国内向けとしたものがテラノレグラスである。

同時に北米で販売されていたパスファインダーとの違いとして、AWDシステムの機能向上、インテリアの高級化が挙げられる。ただ、高級車ではあったものの、最低地上高は211 mmで、オフロードカーとしての能力も有していた。

2列5人乗り。VG33E型 3.3リットル V6 SOHC(後期型はVQ35DE型 3.5リットル V6 DOHC)エンジンに4速ATを組み合わせる。VQエンジンは福島県のいわき工場で、車体は九州工場で生産が行われた[1]

2000年
2001年モデルとしてマイナーチェンジ。フェイスリフトが行われたほか、搭載エンジンがV6 3.3リットルからV6 3.5リットルに変更され、出力も125 kW (168 hp)から179 kW (240 hp)に向上した。また、タイミングベルトタイミングチェーンと交換され、RWDモデルも追加された。さらに、時計一体型のダッシュボードや、17インチアルミホイールキセノンヘッドランプが装備された。
2002年11月
生産を終了。
2003年
販売を終了。

2代目 JA60型 (2004-2010年)

QX56
JA60型
前期型
後期型
概要
製造国 アメリカ合衆国
販売期間2004 - 2010年
ボディ
乗車定員7 - 8名
ボディタイプ5ドアSUV
エンジン位置フロント
駆動方式後輪駆動 / 四輪駆動
プラットフォーム日産・F-Alphaプラットフォーム
パワートレイン
エンジンVK56DE 5,552 cc V型8気筒DOHC
最高出力315 hp (235 kW)/4,900 rpm(前期型)
320 hp (239 kW)/5,200 rpm(後期型)
最大トルク390 lb⋅ft (529 N⋅m)/3,600 rpm(前期型)
393 lb⋅ft (533 N⋅m)/3,400 rpm(後期型)
変速機5AT
サスペンション
ダブルウィッシュボーン式
ダブルウィッシュボーン式
車両寸法
ホイールベース3,130 mm
全長5,255 mm
全幅2,000 mm(前期型)
2,020 mm(後期型)
全高1,955 mm - 2,000 mm
車両重量2,539 kg
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北米製フルサイズピックアップであるタイタンをベースとし、プラットフォームとしてF-Alphaプラットフォームが採用され、QX4よりも大型化された。3列シートの8人乗り、および2列目がキャプテンシートの7人乗りのワゴンボディーが与えられた。エンジンはVK56DE型 5.6リットル V8 DOHCエンジンで、オーバードライブ装置付き5速ATが組み合わされた。また、2005年モデルからはRWDモデルも追加された。

車体は米国ミシシッピ州キャントン工場、エンジンはテネシー州のデカード工場にて生産された。なお、このモデルはアメリカで生産された最初のインフィニティモデルである。

2004年1月
北米国際自動車ショーに出展。
2004年1月22日
生産開始。
2004年3月
販売開始。販売はアメリカカナダロシアバーレーンアラブ首長国連邦サウジアラビアのみで行われる。ライバルのレクサス・LXよりも安価であったため、LXよりも多く売れた。また、2006年にアメリカ国内でQ45の販売が終了してからはインフィニティブランドでは最も高価なモデルとなった。
2007年1月
北米国際自動車ショーに2008年モデルを出展。フロントグリルなどが変更されたほか、内装の意匠の変更や20インチ合金ホイールの装備などを行い、質感の向上を図った。
2009年モデルイヤー
新色の「ディープガーネット」が追加され、自動ドアロックが装備された。
2009年5月11日
2010年モデルを発表。

インフィニティ・FX同様、日本の輸入SUVディーラーが逆輸入(並行輸入)という形で販売している。

3代目 Z62型 (2010-2024年)

QX80
Z62型
2011-2015
2015-2018
2018-
概要
製造国 日本
ロシア
販売期間2010 - 2024年
ボディ
乗車定員7 - 8名
ボディタイプ5ドアSUV
駆動方式後輪駆動 / 四輪駆動
プラットフォーム日産・F-Alphaプラットフォーム
パワートレイン
エンジンVK56DE 5,552cc V型8気筒[2]
最高出力400 hp (298 kW)/5,800 rpm
最大トルク413 lb⋅ft (560 N⋅m)/4,000 rpm
変速機7AT
車両寸法
ホイールベース3,075 mm
全長5,290 mm
全幅2,045 mm
全高1,940 mm
車両重量2,785 kg
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2010年4月のニューヨーク国際オートショー[3]、ならびに北京モーターショーで発表された。

今回のモデルは4代目パトロール(Y62型)と主要コンポーネントを共用することで、クオリティを更に向上させながら価格上昇をも抑えた。エンジンにはM56にも搭載されるVK56VDを、QXの性格に合わせ低中速トルク重視としたチューニングを施した上で搭載した。なお、このモデルから生産が日本の日産車体九州に移行されている[4]

2012年12月
2014年モデルより「QX80」に名称変更されることが発表された[5]
2014年4月
ニューヨーク国際オートショーにおいて2015年モデルを発表[6]。前後ランプ、フロントグリルなど細部の仕様が変更された。
2017年4月
ニューヨーク国際オートショーにおいてデザインスタディモデルが「QX80モノグラフコンセプト」の名称で公開された[7]
2017年11月
ドバイ国際モーターショーにおいて2018年モデルを発表[8]。モノグラフコンセプトを基礎とする大規模なフェイスリフトが実施された。
2017年12月
2018年モデルの販売を開始。
2019年10月
日本国内でもインパルを通して販売を開始。ベースは北米仕様車で灯火類などを国内の法規に合わせての販売となる。
2022年10月14日
2023年モデル発売[9]Amazon Alexaを車載化。また、AppleCarPlayとUSBベースのAndroid Autoを備えた12.3インチINFINITI In Touchディスプレイを採用。ステアリングホイールには、車線逸脱警告システム用のハプティックテクノロジーを追加している。 新開発のワイヤレススマートフォン充電器が、Bose製サウンドシステムとインテリジェント・クルーズ・コントロールとともに採用される。インフィニティ・プレミアム・ケアというメンテナンスプログラムも用意し、最大3年間の点検、オイル交換、タイヤローテーションなどを無償で行う。

4代目 Z63型 (2024年-)

QX80
Z63型
フロント
内装
概要
販売期間2024年(予定)-
ボディ
乗車定員7 - 8名
ボディタイプ5ドアSUV
駆動方式RWD(後輪駆動)/4WD
パワートレイン
エンジンVR35DDTT型
最高出力450PS
最大トルク71.3kgm
変速機9AT
電子式エアサスペンション
電子式エアサスペンション
車両寸法
ホイールベース3075mm
全幅2365mm
全高1945〜1987mm
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2023年3月20日に発表された。エンジンは完全新開発のVR35DDTT型が搭載される。今年夏ごろより北米市場で発売される予定。

脚注

関連項目