アンヌ・ガレタ
アンヌ・F・ガレタ(Anne F. Garréta、1962年 - )はフランスの小説家。2000年に文学グループ「ウリポ」に参加。2002年にメディシス賞を受賞し、同賞の審査員を務める。フランスとアメリカの大学で教鞭を執る。
アンヌ・ガレタ Anne F. Garréta | |
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誕生 | アンヌ・フランソワーズ・ガレタ(Anne Françoise Garréta) 1962年 ![]() |
職業 | 作家、大学教員 |
言語 | フランス語 |
教育 | 博士 |
最終学歴 | 高等師範学校、ソルボンヌ大学、パリ第7大学、ニューヨーク大学(博士号) |
活動期間 | 1986年 - |
ジャンル | 小説 |
文学活動 | ウリポ |
代表作 | 『一日たりとも(Pas un jour)』 |
主な受賞歴 | メディシス賞 |
デビュー作 | 『スフィンクス』 |
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略歴
1962年[1][2]、アンヌ・フランソワーズ・ガレタ(Anne Françoise Garréta)として[2][3]パリに生まれる[1]。
高等師範学校卒業後[4]、ソルボンヌ大学で学士号、パリ・ディドロ大学(パリ第7大学)で修士号および専門研究課程修了証(Diplôme d'études approfondies)を取得[5]。渡米し、1988年にニューヨーク大学で博士号を取得[5]。博士論文は『小説の終焉、17-18世紀 - テクストの場の文体論、修辞学、詩学(Fins de romans, XVIIe-XVIIIe siècles. Stylistique, rhétorique, poétique d’un lieu textuel)』として同大学の出版局から刊行された[6]。
1990年からプリンストン大学[2]、次いでバージニア大学、さらにデューク大学で文学を教え[5]、1995年からレンヌ第二大学でも教鞭を執る[4]。近年はパリ・ディドロ大学でも教えている[5]。
1986年に処女作『スフィンクス』をグラッセ出版社から発表。主人公とその恋人について、フランス語の文法性(男性名詞・女性名詞および形容詞などの性の一致)を一切排除しているため、性別が不明である[7][4]。この意味で、「レズビアンは女ではない」と言ったモニック・ウィティッグは彼女にとって重要な存在だという[8]。
1993年にウィーン(オーストリア)で詩人のジャック・ルーボーと出会い、1994年3月と2000年5月にルーボーの詩のセミネールに招かれ自作で使用した「制約」について発表した[4] 。「制約」とは、言語に制約をかけること、すなわち、『スフィンクス』における文法性の排除のことである[4]。2000年から文学グループ「ウリポ」に参加[4]。2009年にルーボーとの共著『憂鬱なエロス(Éros mélancolique)』を発表した。
邦訳
- 『スフィンクス』吉田暁子訳、新潮社、1991年
- 『『失われた時を求めて』殺人事件』高柳和美訳、水声社、叢書フィクションの楽しみ、2018年
著作
- Sphinx, Grasset, 1986 - 邦題『スフィンクス』
- Pour en finir avec le genre humain, éditions François Bourin, 1987
- Ciels liquides, Grasset, 1990
- La Décomposition, Grasset, 1999 - 邦題『『失われた時を求めて』殺人事件』
- Pas un jour, Grasset, 2002
- Éros mélancolique, Grasset, 2009 - ジャック・ルーボーとの共著
- Dans l'béton, Grasset, 2017
脚注
注釈
出典
参考文献
- アンヌ・ガレタ 著、吉田暁子 訳『スフィンクス』新潮社、1991年。ISBN 978-4-10-523101-9。
関連項目
外部リンク
- Anne F. Garréta - ウリポ公式ウェブサイトのアンヌ・ガレタの紹介・各作品の解説(フランス語)
- Anne Garreta, Research Professor of Literature - デューク大学のアンヌ・ガレタの紹介、著書・学術論文等一覧