はまぎり (護衛艦)

海上自衛隊の護衛艦、あさぎり型護衛艦5番艦

はまぎりローマ字JS Hamagiri, DD-155)は、海上自衛隊護衛艦あさぎり型護衛艦の5番艦。艦名は「浜に立つ霧」即ち「浜霧」に由来する。なお、艦艇名としては旧海軍通して初の命名である。なお本艦以降、あさぎり型護衛艦の対空レーダーは、艦艇用としては世界初のアクティブフェイズドアレイレーダーであるOPS-24となった。

はまぎり
基本情報
建造所日立造船舞鶴工場
運用者 海上自衛隊
艦種汎用護衛艦(DD)
級名あさぎり型護衛艦
母港大湊
所属護衛艦隊第15護衛隊
艦歴
発注1985年
起工1987年1月20日
進水1988年6月4日
就役1991年1月31日
要目
基準排水量3,550 トン
満載排水量4,950 トン
全長137m
最大幅14.6m
深さ8.8m
吃水4.5m
機関COGAG方式
主機川崎ロールス・ロイス スペイSM1Aガスタービン × 4基
出力54,000PS
推進器スクリュープロペラ × 2軸
最大速力30ノット
乗員220名
兵装62口径76mm単装速射砲 × 1門
Mk.15 Mod2 高性能20mm機関砲CIWS) × 2基
ハープーンSSM4連装発射筒 × 2基
GMLS-3型A シースパロー短SAM8連装発射機 × 1基
74式アスロック8連装発射機 1基
68式3連装短魚雷発射管 × 2基
搭載機HSS-2B/SH-60Jヘリコプター × 1機
C4ISTAROYQ-7B 戦術情報処理装置
OYQ-101 対潜情報処理装置
SFCS-6C 水中攻撃指揮装置
レーダーOPS-24 対空
OPS-28C 水上
OPS-20 航海用
81式射撃指揮装置2型-23/2型-12G
ソナーOQS-4A
OQR-1 曳航式
電子戦
対抗手段
NOLR-8 ESM
OLT-3C ECM
Mk.137 デコイ発射機 × 2基
その他AN/SLQ-25 曳航式デコイ
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本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはあさぎり型護衛艦を参照されたい。

艦歴

「はまぎり」は、中期業務見積りに基づく昭和60年度計画3,500トン型護衛艦2226号艦として、日立造船舞鶴工場で1987年1月20日に起工され、1988年6月4日に進水、1990年1月31日に就役し、第1護衛隊群隷下に新編された第48護衛隊に「さわゆき」とともに編入され、横須賀に配備された。

1991年7月1日から7月31日まで、護衛艦「しらね」、「ゆうぎり」、「あまぎり」とともにフィリピン方面海上実習に参加する。

1992年8月28日午後7時頃、房総半島南東約550Kmの太平洋上で夜間洋上給油中に護衛艦「あまぎり」と衝突事故を起こしている[1]。相手艦の「あまぎり」の右舷後部に艦首が衝突、「あまぎり」は浸水傾斜等、海上自衛隊史上最悪の被害を受けるが死傷者はなく、その後、修理を経て戦列に復帰している。

1994年、護衛艦「くらま」、「あまぎり」とともに環太平洋合同演習(RIMPAC)に参加。5月31日に横須賀基地出港、6月23日から7月6日に演習参加、8月24日に横須賀基地に帰投。

同年12月20日から12月23日、護衛艦「あまぎり」とともに東京に寄港した韓国海軍の補給艦「天地 (チョンジ)」等からなる練習艦隊と交歓。

1995年1月から7月に石川島播磨重工業東京第1工場で行われた定期検査においてシースパロー短SAM機力装填装置を装備。

1996年3月16日第4護衛隊群第41護衛隊に編入され、定係港が大湊となり、同地に転籍。

1997年3月24日、第4護衛隊群第48護衛隊に編入。同日付、隊番号の改正により第48護衛隊が第8護衛隊に改称。

同年6月9日から9月3日の間、護衛艦「はるな」、「みょうこう」及びP-3C 5機とともに米国派遣訓練に参加。

1998年3月20日第3護衛隊群第7護衛隊に編入。

2000年9月1日から11日までロシアペトロパブロフスク・カムチャツキー沖で実施された日露捜索・救難共同訓練に護衛艦「ひえい」とともに参加。

同年10月4日、護衛艦「せとぎり」とともに小樽港に寄港したオーストラリア海軍フリゲート「キャンベラ」、「ダーウィン」のホストシップとして派遣された。

2002年2月22日、護衛艦「あまぎり」等とともに東南アジア方面外洋練習航海部隊を編成し、第35期一般幹部候補生課程修了者約90名を乗せて江田内を出港する。マニラスラバヤ勝連に寄港し、3月31日に江田内に帰投。

同年、環太平洋合同演習(RIMPAC)に参加。

2004年遠洋練習航海に参加。

2008年3月26日、護衛隊改編により第4護衛隊群第4護衛隊に編入。

同年4月9日、護衛艦「きりしま」とともに東京に入港したフランス海軍揚陸艦「ミストラル」と交歓。

2009年10月6日、大湊を出港、途中横須賀において、護衛艦「たかなみ」と共に第3次派遣海賊対処行動水上部隊を編成、同月13日ソマリア沖アデン湾へ向けて横須賀を出航、11月7日から翌年2月20日まで34回計283隻の船舶を護衛し、2010年3月18日に帰国した[2]

2011年8月1日、編成替えにより護衛艦隊直轄第15護衛隊に編入。

2013年4月7日第15次派遣海賊対処行動水上部隊として護衛艦「あけぼの」と共にソマリア沖へ向けて出航[3]、任務を終了し、同年9月27日、大湊に帰港した[4]

2014年10月26日及び28日、ロシアウラジオストック港内及びウラジオストック沖で実施される日露捜索・救難共同訓練に参加した[5]

2017年11月20日から25日までの間、ロシア連邦海軍駆逐艦アドミラル・ヴィノグラドフ」などと共にウラジオストック港及び同周辺海域で実施される日露捜索・救難共同訓練に参加する[6]

2023年5月29日自衛艦旗である「旭日旗」を掲げ、韓国南東部の釜山海軍基地に入港した[7]。今回の入港は5月31日に済州島周辺海域において行われる多国間PSI訓練「Eastern Endeavor 23」への参加に合わせたもので、本訓練には防衛省自衛隊のほか、外務省警察庁海上保安庁及び米豪韓の海軍・沿岸警備隊・海洋警察の艦船及び航空機が参加して、海上阻止実動訓練を実施した[8][9]

現在は、護衛艦隊第15護衛隊に所属し定係港は大湊である。

歴代艦長

歴代艦長(特記ない限り2等海佐
氏名在任期間出身校・期前職後職備考
01富永憲一郎1990.1.31 - 1991.8.4防大10期はまぎり艤装員長海上自衛隊第1術科学校
教官 兼 研究部員
02川原和仁1991.8.5 - 1993.3.23防大14期みねぐも艦長第1海上訓練指導隊
03石川雅敏1993.3.24 - 1994.8.29防大17期むらくも艦長護衛艦隊司令部幕僚
04田代耕一1994.8.30 - 1996.9.16防大15期まきぐも艦長運用開発隊運用開発第1科長
05中田高芳1996.9.17 - 1997.9.9防大18期大湊地方総監部防衛部第3幕僚室長はたかぜ艦長1997.1.1
1等海佐昇任
06徳本和成1997.9.10 - 1999.9.19日大
25期幹候
第4海上訓練指導隊訓練科長呉地方総監部防衛部第3幕僚室長
07廣 文仁1999.9.20 - 2001.3.21防大20期佐世保地方総監部防衛部第3幕僚室長自衛艦隊司令部幕僚
08新開仁司2001.3.22 - 2002.8.19防大22期自衛隊地方連絡部募集課長護衛艦隊司令部幕僚 
09茭口俊介2002.8.20 - 2003.8.19防大27期統合幕僚会議事務局第3幕僚室 
10豊住 太2003.8.20 - 2004.9.30防大29期第1護衛隊群司令部幕僚指揮通信開発隊システム第2科長
11染田良弘2004.10.1 - 2006.5.7防大29期海上幕僚監部人事教育部教育課護衛艦隊司令部幕僚 
12関口雄輝2006.5.8 - 2007.7.1防大33期海上幕僚監部人事教育部厚生課 
13佐藤 誠2007.7.2 - 2008.9.15防大27期 護衛艦隊司令部幕僚
14斎藤 貴2008.9.16 - 2010.8.11防大32期はたかぜ砲雷長兼副長海上自衛隊幹部候補生学校
第1学生隊長
 
15伊保之央2010.8.12 - 2011.7.31防大31期第3ミサイル艇隊司令海上自衛隊第1術科学校
16齋藤浩司2011.8.1 - 2012.7.31防大34期海上幕僚監部防衛部運用支援課海上自衛隊幹部学校付
17佐藤哲朗2012.8.1 - 2013.10.3防大39期きりしま砲雷長 兼 副長海上幕僚監部防衛部装備体系課
18岳本宏太郎2013.10.4 - 2014.8.4 指揮通信開発隊企画科長しらせ運用長 
19倉光啓介2014.8.5 - 2015.8.2防大41期第1護衛隊群司令部統合幕僚監部防衛計画部計画課
20竹嶋広明2015.8.3 - 2016.8.8防大41期第3護衛隊群司令部幕僚海上自衛隊幹部学校付2016.1.1
1等海佐昇任
21鈴木隆弘2016.8.9 - 2017.7.31防大37期海上幕僚監部防衛部装備体系課艦艇開発隊第1科長
22成田直人2017.8.1 - 2018.11.1海上幕僚監部防衛部防衛課はたかぜ艦長
23渡邉義彦2018.11.2 - 2019.2.24 大湊海上訓練指導隊砲雷科長横須賀海上訓練指導隊教育科長
24横手正剛2019.2.25 - 2020.8.242期幹候横須賀海上訓練指導隊教育科長
25藤井信樹2020.8.3 - 2021.11.30ましゅう運用長 兼 副長護衛艦隊司令部
26上谷隆久2021.12.1 - 2023.4.0海上幕僚監部防衛部装備体系課
27古賀直樹2023.4.0 - 2024.2.0さみだれ艦長
28小澤 誠2024.2.0 -

ギャラリー

脚注

参考文献

  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
  • 『世界の艦船』第750号(海人社、2011年11月号)

外部リンク

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