きみが心に棲みついた

きみが心に棲みついた』(きみがこころにすみついた、You always inhabit my heart )は、天堂きりんによる日本漫画作品。『Kiss PLUS』(講談社)にて2011年3月号から[1]2013年9月号まで[2]16話が連載された後、『FEEL YOUNG』(祥伝社)に移籍し、「きみが心に棲みついたS(エス)」として2013年11月号から[3]2019年11月号まで連載された。タイトルのSは、「サクリファイス (Sacrifice) 」を意味する[4]。単行本は『きみが心に棲みついた』が全3巻[5]、『きみが心に棲みついたS』が全9巻。

きみが心に棲みついた
きみが心に棲みついたS
ジャンル恋愛
漫画
作者天堂きりん
出版社講談社
祥伝社
掲載誌Kiss PLUS
FEEL YOUNG
レーベルフィールヤングコミックス
発表号2011年3月号 - 2013年9月号
2013年11月号 - 2019年11月号
巻数全3巻(きみが心に棲みついた)
全9巻(きみが心に棲みついたS)
ドラマ
脚本吉澤智子、徳尾浩司
演出福田亮介、水田成英金子文紀、棚澤孝義
制作ドリマックス・テレビジョン
TBSテレビ
放送局TBS系
放送期間2018年1月16日 - 2018年3月20日
話数全10話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

2018年1月にTBSテレビ系でテレビドラマ化された。

あらすじ

下着メーカーに勤める小川今日子は、子供の頃から人前に出ると緊張のあまりパニックになって吃(ども)ってしまったり、自分の意見を押し通せない弱気な性格だった。今日子には大学時代から忘れることのできない男がいた。結果的に彼のせいで今日子は傷付いたが、性格を悩む今日子に「そのままでいい」と言ってくれた言葉で救われた部分もあったのだ。

同僚に誘われた合コンで「ちゃんとした恋愛がしたい」と発言したところ、合コン相手の一人、吉崎幸次郎から説教されてしまう。吉崎のはっきりとした言葉に心を動かされた今日子は勢いで告白し振られる。新しい恋を始められるかもしれないと心躍らせる今日子だったが、忘れられない男・星名漣が転勤によって同僚となる。今日子の心に棲みつく悪魔のような星名は、大学時代と変わらず、今日子に悪夢のような再会をもたらすことになる。

登場人物

小川 今日子(おがわきょうこ)
下着メーカー「ワンナナコール」の材料課勤務。28歳。自分に自信が持てず、いつも周りに流されてしまうネガティブな性格。動揺すると分かりやすく吃(ども)って挙動不審になるため、あだ名は「キョドコ」。母親の信子も今日子を疎み恥ずかしいと考え、妹ばかりを可愛がっていた。大学時代、悩む自分に「そのままでいい」と言ってくれた漣を好きになり、彼の言うなりに行動した結果、心も体も傷ついたが、彼のことを忘れられないまま、新しい恋に踏み出すことも出来ずにいた。かつて漣にやってもらったように、ストールの中尾巻き(ねじねじ)をすると、多少なりとも心が落ち着く。合コンで出会った吉崎に勢いで告白し、もっと親しくなりたいと思っていた時に漣と再会し、関わらないようにしようと思う心と、重石のように心を占める気持ちとがせめぎ合い、「自分にはこの人しかいない」と思うようになり、再び心を漣に囚われてしまう。
10年後の時点では吉崎とは既に結婚しており、二人の間に小学2年生の息子の幸太がいる。ワンナナコールを退社したのち、堀田の新しく立ち上げた下着会社に移り、家庭と仕事を両立する。
吉崎 幸次郎(よしざきこうじろう)
出版社「講英館」の『パガヅン』編集者。合コンで今日子と知り合い、「ちゃんとした恋愛がしたい」という今日子に嫌悪感をあらわに説教し、そのはっきりとした態度を気に入られ懐かれてしまう。今日子のひたむきさに接し、次第に態度を軟化させ、厳しいながらも誠実に対応し、メールのやり取りなどを続けるが、今日子と仲が良いことで漣に狙われてしまう。
10年後の時点では今日子と既に家庭を築いている。
星名 漣(ほしなれん)
ワンナナコールMD。今日子の大学時代の先輩で、今日子にトラウマを植え付けた張本人。一見、人当たりが良い爽やかな好青年を演じているが、今日子の前では腹黒い面を見せ、今日子が傷付くのを見て楽しんでいる。今日子と体の関係を持ったことはない。
小学生の頃、要領が悪く根暗な子供だったため、同級生からいじめられていた。母親の不義による子で、父親からも冷たく当たられていた。小5のとき母親に懇願されて転校を機に整形し、表向きは要領の良い、明るい少年となったが、猫への思いやりがあるなど心優しかった整形前と比べ、歪んだ精神面を持つようになる。過去を回想する時は「かごめかごめ」が流れる。
中学のときに母親とペットショップで再会した後の晩に未成年ながら母の不倫相手に刺殺し、途中で自分がトドメを刺させた母に罪を着せた。
整形スタート時点はまだ成長期であったにもかかわらずに母の要望で整形させられて以降は再整形とメンテナンスを繰り返してきたため、(自分の悪行が会社内に広まったことにより謹慎する最中に)既に激痛に苦しんだ鼻が崩れてしまう。
マンションを訪れてきた今日子の前で倒れるが、今日子によって病院に運ばれた。形成外科の病棟に入院中に今日子にそばにいてほしいと見てもらっているが、今日子の前から姿を消した。
10年後の時点では、牧村の支援のもとで(10年前の借りもあって)株のトレーダーとなり質素な生活をしている。
堀田 麻衣子(ほったまいこ)
ワンナナコールのデザイン課勤務。今日子の素材を見る目に信頼を寄せている。
一ノ瀬から漣の悪行のことで上層部への掛け合いの協力を依頼されるが、八木とともに断った。
10年後の時点では独立して新たに下着会社を起業し、今日子とともに店舗を営業している。
飯田 彩香(いいだあやか)
ワンナナコール材料課勤務。今日子の2つ後輩。課のチームリーダーに抜擢されたが、漣に唆されて、今日子に決まりかけていた新規プロジェクトのメンバーの座を奪う。簡単な方法で生地を母方の叔父である飯田繊維会社の社長に依頼して作ってもらった。しかし、生産の後先のことなど考えていないという点から結果として採用されなかった。
漣と男女の仲になるが、付き合ううちに自分の過去の露見を恐れる漣から別れを切り出される。それでも漣への気持ちは変わらず、叔父、漣の母・郁美を通して漣との関係を継続させようとする。(なお、叔父から頼まれた父が興信所の調査により、郁美が殺人を犯して刑務所に入っていた話は叔父から初めて聞かされた。郁美の出所後の住所を知り、彼女の元を訪れたことがある。)
今日子と漣との関係がまだあるのではないかと疑い、今日子に嫉妬して怒りをぶつけた。今日子が漣にマンション誘われた様子の写真を吉崎に送りつけ、今日子と吉崎との関係を壊そうとした。
しかし、最後は漣と郁美との食事の席で漣から冷たい言動を浴びせられそのうえ容赦なくワインをかけられてしまう。それを機に精神のバランスを崩して入院をし、漣が自分にひどいことをした件で叔父に話す。退院後はワンナナコールを退社し、福島の実家に戻る。
10年後の時点では既に栄養士の資格持ちで保育園に勤めていて、保育園の卒園生である野球選手(投手の夏井)と知り合い結婚した。
八木 泉(やぎいずみ)
ワンナナコール・メンズインナー部勤務。堀田とは同期。何度もMVPを取っている優秀な社員。プロジェクトのメンバーとなったものの、役に立たない今日子を罵倒する。仕事に厳しいが、今日子の努力をいつも見るうちに彼女の仕事ぶりを認める。
吉崎に別れを切り出されたショックで3日も欠勤する今日子を心配し、叱咤して励ました。
漣の悪行の件で一ノ瀬から上層部への掛け合いの協力を依頼されるが、漣を辞めさせるためにあることないこと色をつけて報告するのは自分のやり方でない、自分は自分の仕事を頑張ることだ、と主張して断った。
一ノ瀬 高文(いちのせたかふみ)
ワンナナコールMD。プロジェクトの堀田チームメンバー。名古屋支社に勤務していた数年前、研修会で出会った漣にプレゼンのアイディアを奪われた上、下剤を盛られて出席を阻まれ、以後企画も通らず、体調を崩し出社も覚束なくなり休職、メンタルクリニックに通っていた。
飯田が入院で欠勤している間、自分が漣から過去に受けた出来事を堀田と八木に話した。他にも漣に同じ目に合わされた社員を調べて上層部にかけ合う事に協力を依頼して二人から断られるが、八木から「自分で自分のしたいことをやれ」と後押しされた。
スズキ 次郎(すずきじろう)
吉崎が担当する漫画家。取材に協力してくれた漣の完璧ぶりに胡散臭さを感じ取るが、単行本未収録のデビュー作から読んでいるという牧村を紹介され、思わず感動してしまう。
牧村 英二(まきむらえいじ)
漣の大学時代の同級生。スナック店を経営する母親に育てられた。小学校時代、整形前の漣をいじめる同級生の仲間にいたが、漣の転校後は彼の代わりに自身がいじめの対象にされた。その後は漣と同じ都内の高校で再会するが、クラスで人気の高い模範生の彼を妬んだ。高校通学と下宿の支援をしていた母の男性客から関係を強制されるが、その様子を漣に知られてしまう。言うことを聞いたら他の女全員と別れるからと漣に言いくるめられた今日子が初めてセックスをした相手。そもそも今日子のことか好きという理由でなく、実は大学で漣の整形の事実がバレたくないのと引き換えに漣に今日子を要求した。現在は都内のバーでバーテンダーをしている。
社会的に金銭的に追い詰められた漣から借金を頼まれるが、金が欲しかったら拾ってみろと嘲笑ってレジの札をぶち撒ける。
為末(ためすえ)
講英館パガヅン編集者。吉崎に想いを寄せる。
谷山 祥子(たにやましょうこ)
漣の姉。結婚していて夫と息子のたくやがいる。刑務所出所後の母・郁美の件では押し付ける漣に不満を持っている。
郁美の面倒をする一方で、漣に金の無心をして自分の整形などに充てていた。
漣の過去を今日子と初対面した際に初めて話した。
漣の代わりにマンションの家具を回収してもらったあとは既に父親に電話で回収費支払いの協力を頼むものの、父親は既に再婚して依然として冷たく申し出を拒否されてしまう。そんな父親に対して、母親の郁美がおかしくなったのは父親のせいだ、漣の暴力的で冷たいところは父親に似ていると啖呵を切った。
星名 郁美(ほしないくみ)(※テレビドラマの設定では、北園郁美)
漣と祥子の母。整形前の自分に似た漣を整形手術させたことにより、漣が歪んだ感情を持つ遠因となった。
漣の整形手術後も不倫を続けていて夫との関係は険悪ムードが続く(その夫と漣との親子関係も相変わらず険悪のままである)。そんな家庭に居心地が悪くなり家を出て、不倫相手のペットショップオーナーのもとで同棲して営業を手伝う。(家を出た直後の時点に離婚した。)
ある日過去の記憶から自分の居所を見つけてきた漣(当時中学生だった)と勤め先のペットショップで再会するが、そのあと程なくして暴力を振るってきた不倫相手を漣が刺し殺してしまう。漣からの脅しに踊らされ不倫相手をひき続き刺し、漣を庇うように逮捕された。それ以後は服役生活を送るが、出所後は一人暮らしを始める。殺害事件の記憶、星名の恐ろしい言葉を思い出すたび苦しんでいる。
(飯田から自分の住所を聞いた)今日子が訪問して漣との過去を初めて聞かされ、自身の過去を語った。その際、かつて自身も漣と同じように不細工で、昼も夜も働いてお金を貯めて整形した。その後は店の客だった元夫に見染められて結婚し祥子を出産した。それでも幸せは長く続かず整形したことがバレて(家を出るまでに)元夫から暴力を振われてきた。顔を変えたのに愛されないという気持ちから元夫に隠れて他の男と不倫し、昔の自分に似た息子・漣が生まれた(元夫の子なのか、不倫相手の子なのかわからなかった)。いじめられてきた漣を見るのがつらく、漣を手にかけようとしたことがある。小学5年だった漣を整形させた。

書誌情報

テレビドラマ

きみが心に棲みついた
ジャンルテレビドラマ
原作天堂きりん
『きみが心に棲みついた』
『きみが心に棲みついたS』
脚本吉澤智子
徳尾浩司
演出福田亮介
水田成英
金子文紀
棚澤孝義
監修Triumph(下着)
甘詰留太(劇中漫画)
出演者吉岡里帆
桐谷健太
石橋杏奈
中村アン
ムロツヨシ
鈴木紗理奈
瀬戸朝香
向井理
音楽出羽良彰
エンディングE-girlsPain, pain
国・地域 日本
言語日本語
製作
プロデューサー佐藤敦司
製作ドリマックス・テレビジョン
TBSテレビ
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本
放送期間2018年1月16日 - 3月20日
放送時間火曜 22:00 - 22:54
放送枠火曜ドラマ
放送分54分
回数10
公式サイト

特記事項:
第1話は15分拡大(22:00 - 23:09)。
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2018年1月16日から3月20日までTBSテレビ系「火曜ドラマ」枠で放送されていた。主演は連続ドラマ初主演の吉岡里帆[16]

キャスト

主要人物

小川今日子(おがわ きょうこ)〈27〉
演 - 吉岡里帆(幼少期:成宮しずく[17]
下着メーカー「Lapoire」の材料課所属。
吉崎幸次郎(よしざき こうじろう)〈32〉
演 - 桐谷健太[16]
月刊『パガヅン』の編集者。スズキの担当。
星名漣(ほしな れん)〈32〉
演 - 向井理[16](幼少期:溝上空良[18]))
下着メーカー「Lapoire」の企画室長。マネージング・ディレクター。

Lapoire

飯田彩香(いいだ あやか)〈27〉
演 - 石橋杏奈[19]
材料課所属。
八木泉(やぎ いずみ)〈38〉
演 - 鈴木紗理奈[19]
デザイナー
堀田麻衣子(ほった まいこ)〈38〉
演 - 瀬戸朝香[19]
デザイナー。
白崎達夫〈45〉
演 - 長谷川朝晴
材料課課長。
稲垣栞里〈29〉
演 - 周本絵梨香
材料課所属。
池脇久美子
演 - 杉本彩
商品開発統括部部長。

一ツ木出版漫画編集部

スズキ次郎(スズキ じろう)〈38〉
演 - ムロツヨシ[19]
漫画『僕に届け響け!』の作者。
為末れいか(ためすえ れいか)〈25〉
演 - 田中真琴
月刊『パガヅン』の編集者。

小川家

小川菜穂子(おがわ なおこ)
演 - ついひじ杏奈
今日子の妹。
小川信子 (おがわ のぶこ)
演 - 中島ひろ子
今日子の母。今日子のことを嫌っている。

その他

成川映美(なりかわ えみ)〈29〉
演 - 中村アン[20]
ドラマオリジナルキャラクター。売れっ子のライトノベル作家で、吉崎の大学時代の後輩。付き合っていた過去を持つ。
牧村英二〈32〉
演 - 山岸門人
星名と幼馴染でバーテンダー
八幡俊輔
演 - 永岡佑
小野寺レイコ
演 - 小林恵美
市ノ瀬高文
演 - 西村元貴
谷山祥子
演 - 星野園美
漣の姉。
東城
演 - 新井康弘
山藤アイカ
演 - 石田ニコル
飯田恭三
演 - 日野陽仁
飯田の叔父。
北園郁美
演 - 岡江久美子
漣の母。
鴨志田
演 - 阿南健治
会社の上司。

スタッフ

放送日程

話数放送日サブタイトル[24]脚本演出視聴率[25]
第1話1月16日冬の恋は三角形! 恋ヘタ女×超誠実男×支配男の恋吉澤智子福田亮介9.4%
第2話1月23日歓迎会で大バトル! 恋愛ターミネーター×方言萌え女8.5%
第3話1月30日目を覚ませダメ女! あの男の闇は深い…徳尾浩司8.4%
第4話2月6日最低男が大パニック 誠実男の宣戦布告!水田成英7.0%
第5話2月13日大好きです! BBQでキス&ガチバトル7.0%
第6話2月20日好きが爆発する2人 過去の恋に勝てる!?福田亮介6.9%
第7話2月27日下劣男に神の制裁!? ついに結ばれる2人吉澤智子金子文紀6.5%
第8話3月6日最後のデート… 悪魔の告白と涙のキス!徳尾浩司棚澤孝義7.9%
第9話3月13日復讐のパワハラ裁判 彼と決別する誕生日水田成英7.0%
最終話3月20日最後の決断… 貴方に恋をしてよかった吉澤智子福田亮介8.3%
平均視聴率 7.7% (視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)
TBS系列 火曜ドラマ
前番組番組名次番組
監獄のお姫さま
(2017年10月17日 - 12月19日)
きみが心に棲みついた
(2018年1月16日 - 3月20日)
【本作まで終了時刻は22:54】
花のち晴れ〜花男 Next Season〜
(2018年4月17日 - 6月26日)
【この作品から終了時刻は23:07】
TBS系列 火曜日22:00 - 22:54枠
監獄のお姫さま
(2017年10月17日 - 12月19日)
きみが心に棲みついた
(2018年1月16日 - 3月20日)
花のち晴れ〜花男 Next Season〜
(2018年4月17日 - 6月26日)
※22:00 - 23:07

関連項目

脚注

注釈

出典

外部リンク