おうし座10番星
おうし座の恒星
おうし座10番星(おうしざ10ばんせい、10 Tauri、10 Tau)は、おうし座にある恒星である。太陽からの距離が近く、遠赤外線での超過が検出されているので、「系外黄道光」を調べる上で重要な目標天体の一つとなっている[8]。
おうし座10番星 10 Tauri | ||
---|---|---|
星座 | おうし座 | |
見かけの等級 (mv) | 4.29[1] | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 03h 36m 52.1448022536s[2] | |
赤緯 (Dec, δ) | +00° 23′ 58.536917738″[2] | |
視線速度 (Rv) | 27.87 ± 0.09 km/s[2] | |
固有運動 (μ) | 赤経: -232.60 ± 0.59 ミリ秒/年[2] 赤緯: -481.92 ± 0.54 ミリ秒/年[2] | |
年周視差 (π) | 71.62 ± 0.54ミリ秒[2] (誤差0.8%) | |
距離 | 45.5 ± 0.3 光年[注 1] (14 ± 0.1 パーセク[注 1]) | |
絶対等級 (MV) | 3.7[注 2] | |
おうし座10番星の位置(丸印) | ||
物理的性質 | ||
半径 | 1.622 ± 0.024 R☉[3] | |
質量 | 1.139 ± 0.016 M☉[3] | |
表面重力 | 16 G[4][注 3] | |
自転速度 | 4.4 km/s[5] | |
自転周期 | 18.0 日[6] | |
スペクトル分類 | F9 IV-V[2] | |
光度 | 3.042 ± 0.042 L☉[3] | |
表面温度 | 5,997 ± 44 K[3] | |
色指数 (B-V) | 0.575[1] | |
色指数 (V-I) | 0.66[1] | |
金属量[Fe/H] | -0.09[3] | |
年齢 | 6.7 ×109 年[7] | |
他のカタログでの名称 | ||
LHS 1569, BD-00 572, FK5 1101, GJ 147, HD 22484, HIP 16852, HR 1101, IRC +00047, SAO 111292[2] | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
特徴
おうし座10番星は、見かけの等級が4.29で、肉眼でみることができる[1]。年周視差の測定から計算した太陽からの距離は、約45.5光年である。視線速度は約28km/sで、太陽からは遠ざかっており、距離が近いこともあって固有運動は大きい[2]。
太陽 | おうし座10番星 |
---|---|
![]() | ![]() |
おうし座10番星は、F型の主系列星または準巨星で、スペクトル型はF9 IV-Vと分類される[2]。質量は太陽の1.14倍、半径は太陽の1.6倍と推定される。光度は太陽の3倍程度で、表面温度は約5,997Kと推定される[3]。年齢はおよそ67億年、自転周期は18日とみられる[7][6]。
おうし座10番星では、IRAS、赤外線宇宙天文台、スピッツァー宇宙望遠鏡、ハーシェル宇宙天文台の観測で、遠赤外線での赤外超過が検出されている[9][7]。視線速度の安定性から、赤外線源は低温の伴天体とは考えられず、周囲に残骸円盤が存在するものと考えられる[10][11]。
その他
おうし座10番星は、現存しない星座のジョージのこと座に含まれており、ジョージのこと座を設定したヘルやボーデは、ジョージのこと座γ星としていた。おうし座10番星は、ジョージのこと座中で最も明るく見える恒星だった[12]。
日本ではおうし座10番星は、渋川春海が設定した「大炊」という星座を、くじら座94番星、エリダヌス座17番星、エリダヌス座22番星、エリダヌス座30番星、エリダヌス座32番星、おうし座ν星、おうし座30番星と共に形成する[13]。