花巻空港

岩手県花巻市にある空港
いわて花巻空港から転送)

花巻空港(はなまきくうこう)は、岩手県花巻市にある地方管理空港である。いわて花巻空港愛称がある[1][2]。面積は1,722,278 m2

花巻空港
Hanamaki Airport
IATA: HNA - ICAO: RJSI
概要
国・地域日本の旗 日本
所在地岩手県花巻市
母都市盛岡市花巻市
種類商業
運営者岩手県[1]
運用時間8:00 - 19:30[1]
標高91 m (297 ft)
座標北緯39度25分43秒 東経141度08分07秒 / 北緯39.42861度 東経141.13528度 / 39.42861; 141.13528 東経141度08分07秒 / 北緯39.42861度 東経141.13528度 / 39.42861; 141.13528
公式サイトいわて花巻空港
地図
花巻空港の位置
花巻空港の位置
HNA
花巻空港の位置
花巻空港の位置
HNA
花巻空港の位置
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
02/20 I 2,500×45 舗装
統計(2022年度)
旅客数385,774人
貨物取扱量149 t
リスト
空港の一覧
テンプレートを表示
開業直後のターミナルビル
2011年撮影の花巻空港の空中写真。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。2011年撮影の14枚を合成作成。
1976年に撮影された、花巻空港の空中写真。
当時の滑走路延長は1,200メートル。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。1976年撮影の4枚を合成作成。

概要

花巻空港は花巻市中心部より約4 km(バスで約15分)の北上盆地内にあり、岩手県の中央からやや南西に位置する。周辺には東北新幹線 新花巻駅があり、県央部の一大交通拠点地域を形成している。岩手県で唯一の空港であり、岩手の空の玄関口を担っている。

滑走路は02/20方向に2,500 mである[1]平行誘導路の整備は2004年に県の財政難により休止されていたが、2009年度より事業再開となった。震災後の2011年6月に平泉世界文化遺産登録が決定し、これに合わせて工事が進められ、同年7月28日から供用開始した。これに伴い、滑走路両端にあったターニングパッドは撤去されている。計器着陸に対応しており、計器着陸装置 (ILS) は滑走路20にカテゴリIが設置されている。

空港ターミナルビルは長らく滑走路西側にあったが、2009年に滑走路東側に新棟がオープンした[1]。内部は国内線・国際線の設備がある。ボーディング・ブリッジは3基を備える。

空港ターミナルビル(新ターミナルビル)に隣接するエプロンには大型ジェット機用1バース、中型ジェット用1バース、小型ジェット用2バース、プロペラ機用1バースがあり、ほかに小型機用のスポットも有する。なお、岩手県防災航空隊[1]岩手県警察航空隊の基地[1]、その他民間会社は旧ターミナル側一角のスポットをそのまま使っている。仙台空港から飛来する航空大学校の訓練機も同様に旧ターミナル側を使う。管制塔および気象台も旧ターミナル側敷地にある建物を利用している。航空管制国土交通省東京航空局管轄で、航空管制運航情報官を配置するレディオ空港での運用となっている[3]ターミナル空域管制(白神進入管制区)が導入されている[4]

統計

利用者数

元のウィキデータクエリを参照してください.

年間利用客数は2010年頃は減少傾向にあり、名古屋線が運休した2010年度は30万人を割ったものの、FDAの就航による名古屋線の運航再開や日本航空の増便、国際定期便の就航などで、2018年度は約48万人まで回復した[5]

空港乗降客数推移(人)[6][7]
年度国際線国内線合計
2004年度(平成16年度)13,903470,557484,460
2005年度(平成17年度)19,303478,031497,334
2006年度(平成18年度)11,590434,036445,626
2007年度(平成19年度)15,228386,322401,550
2008年度(平成20年度)11,416349,769361,185
2009年度(平成21年度)10,409356,512366,921
2010年度(平成22年度)6,019246,201252,220
2011年度(平成23年度)3,155299,346302,501
2012年度(平成24年度)7,270326,133333,403
2013年度(平成25年度)10,459371,822382,281
2014年度(平成26年度)14,423382,543396,966
2015年度(平成27年度)6,064393,362399,426
2016年度(平成28年度)5,498417,552423,050
2017年度(平成29年度)19,953427,107447,060
2018年度(平成30年度)33,204455,012488,216
2019年度(令和元年度)43,412447,768491,180
2020年度(令和2年度)0143,212143,212
2021年度(令和3年度)0208,783208,783
2022年度(令和4年度)0385,774385,774

歴史

飛来した消防防災ヘリコプター

施設

ターミナルビル

岩手県空港ターミナルビル株式会社
種類株式会社
本社所在地 日本
025-0003
岩手県花巻市東宮野目第二地割53番地
設立1981年6月8日
業種不動産業
事業内容空港ターミナルビルの賃貸及び運営管理等
代表者代表取締役社長 髙橋達也[23]
資本金3億4000万円(2023年3月31日時点)[23]
発行済株式総数3万4000株[23]
売上高3億4200万円(2023年3月期)
営業利益4000万円(2023年3月期)
純利益2800万円(2023年3月期)
従業員数16人(2023年3月31日時点)[23]
決算期3月31日
主要株主

岩手県 29.4%
日本航空(株)29.4%
花巻市 11.8%
ほか、全株主数11名

(2023年3月31日時点)[23]
外部リンクhttps://www.hna-terminal.co.jp/
テンプレートを表示

空港ターミナルビルは地上3階建てである。自治体および運航会社などが出資した「岩手県空港ターミナルビル」が運営している[1]

旧ターミナルビルが狭隘となり、混雑時や国際線のチャーター便の対応が難しくなったことから、滑走路東側に大型旅客機の乗り入れにも対応した新しいターミナルビルの建設が計画された。しかし、岩手県の財政難や利用者の減少のため、当初は2007年だった新ターミナルビル完成は2年延期された上、建物や敷地の規模も縮小されたのち、2009年4月9日に供用を開始した[8]。なお、ターミナルビルは国道4号に面していた旧ターミナルのように幹線道路と直結していない立地であったため、幹線道路とのアクセスを担う県道も同時に整備されている。

1階
  • 航空会社カウンター(JAL・FDA)
  • 到着ロビー(国内線・国際線)
  • hana AIRPORT SHOP&CAFE(売店・喫茶コーナー)[2]
  • レンタカー窓口
  • 花巻警察署花巻空港空港警備派出所
2階
  • 出発ロビー
    • 松任谷由実直筆の「緑の町に舞い降りて」歌詞レリーフを設置している[13]
  • 搭乗待合室(国内線・国際線)
  • 免税店・入国審査場・出国審査場
  • いわて花巻大食堂(レストラン)[24]
  • 宮澤商店コーヒーショップ(保安検査場内)
  • 売店(宮澤商店・赤沼商店)
  • 応接室「銀河ルーム」(VIP待合室)、会議室
  • 岩手県空港ターミナルビル事務所、岩手県花巻空港事務所分室
3階
  • 送迎デッキ(無料)、キッズコーナー
  • 多目的広場

旧ターミナルビル

旧ターミナルビル時代は、長年ボーディングブリッジが1つしか設置されていなかったが、中型機就航に対応するため南側にボーディングブリッジを備えた中型機専用スポットを増設した。このスポットは小型機にも対応でき、同一時間帯の発着が発生した場合でもボーディングブリッジを使用することが可能になった。また、ビルの旅客玄関や車寄せ、駐車場などよりも低い位置にエプロンがある構造だったことから、1階に航空会社カウンター・搭乗待合室・バゲージクレーム・到着口・物販スペース・派出所といった空港の主要機能が集約され、建物内における旅客のフロア上下移動の必要性がほとんど無かった。2階にレストランやビル会社の事務所。3階(屋上)にはささやかながら航空機に関する資料展示スペースと、送迎デッキがあった。

現在は「花巻市交流会館」として再活用されており[26]、花巻市観光協会、花巻市観光課、花巻市国際交流室の事務所、遊覧飛行搭乗者待合室などがあるほか、かつての搭乗待合室やバゲージクレームは観光情報コーナーや一般貸出可能な交流スペース、研修室などに改装されている。

なお、旧ターミナルビルが開館する以前に使用していた空港開港当初の建物が管制塔北側にあり、東邦航空や北日本航空の事務所として活用している。管制室の名残りが屋根上に残っている。

  • 当時および現在の旧ターミナルの画像。

就航路線

国内線

2024年4月1日現在。

航空会社就航地
日本航空 (JAL)
ジェイエア運航)
札幌/新千歳大阪/伊丹福岡
フジドリームエアラインズ (FDA)[注 1] 名古屋/小牧[27][28][29]大阪/神戸[29][30]

各航空会社の詳細

2024年現在、国内線は全ての路線でJALグループによる運航またはJALとのコードシェアとなっており、全日本空輸(ANA)及びANAグループによる運航便はコードシェアも含めて一つも無い。

かつての国内線定期便路線

国際線

2024年4月1日現在。

航空会社就航地
タイガーエア台湾 (IT) 台北/桃園[31](週2便運航)
中国東方航空 (MU) 上海/浦東[32](運休中)

各航空会社の詳細

2024年現在、国際線は2路線が存在し、このうち運航されているのは1路線である。

交通

当空港とのアクセスを担う県道が整備され、釜石自動車道 花巻空港インターチェンジに直結しているほか、途中で国道4号 花巻東バイパスとも接続している。なお、岩手県の公式サイトでは、アクセスルートとして「国道4号花巻東バイパス・花巻空港インター入口立体交差点経由の南回り」と案内されている。

路線バス

空港アクセスバス

※岩手県交通運行路線は交通系ICカードも利用可。詳細はリンクを参照。

鉄道

  • 東日本旅客鉄道(JR東日本)
    • 東北本線 花巻空港駅 : 空港ターミナルビルから約3.8 kmの距離に位置している(当空港と盛岡を結ぶ高速バスが当駅前を経由)。
    • 釜石線 似内駅 : 空港ターミナルビルから約2.5 kmの距離に位置している(当空港への公共交通機関はタクシーのみ)。
      • 盛岡発着の釜石線直通快速はまゆり」は花巻空港駅には昼間の東北本線運転区間内各駅停車の1往復のみ停車し、似内駅に快速は停車しない。

備考

  • 岩手県防災航空隊岩手県警察航空隊の基地、民間ヘリコプター会社の事務所も構えられている。そのため岩手宮城内陸地震の際には、防災ヘリ等が集中し、一時、燃料タンクの備蓄が激減し問題となった。
  • 花巻空港は特に冬になると西から吹く横風が強くなり、着陸が難しくなる空港である。前述した日本エアシステム451便着陸失敗事故など、過去にはウインドシアに起因する事故も起きている。
  • マスコットキャラクター「はなっぴー」は、新ターミナル併用開始に合わせて誕生した当空港のイメージキャラクターで、デザインと名前は一般公募によって選ばれた。ピンク色の航空機型の帽子をかぶった白い雲の体に赤い花を持った愛らしいデザインが特徴。名前は「はな」と「ハッピー」を組み合わせた造語となっている。
  • 手荷物受取所では、旅客の荷物と一緒に盛岡市の名物「盛岡冷麺」をPRする巨大模型がベルトコンベアを流れてくる。

脚注

注釈

出典

参考文献

関連項目

外部リンク