Γ

ギリシア文字の第3字母

Γ, γ(ガンマ、ギリシア語: γάμμαギリシア語ラテン翻字: gamma)はギリシア文字の第3番目の文字。数価[1]は3。

ギリシア文字
ΑαアルファΝνニュー
ΒβベータΞξクサイ
ΓγガンマΟοオミクロン
ΔδデルタΠπパイ
ΕεエプシロンΡρロー
ΖζゼータΣσςシグマ
ΗηイータΤτタウ
ΘθシータΥυウプシロン
ΙιイオタΦφファイ
ΚκカッパΧχカイ
ΛλラムダΨψプサイ
ΜμミューΩωオメガ
使われなくなった文字

()
ディガンマサン
ヘータショー
ギリシアの数字
スティグマ
()
サンピ

()
コッパ

音価は古代ギリシア語では/ɡ/, 現代語では/ɣ/。軟口蓋子音字 γ, κ, χ, ξ の前に置かれると、/ŋ/ になり、これを鼻音のガンマと呼ぶ。このうち γγ は現代語では /ŋ/ と発音される。また、現代語では/e/, /i/の前に来ると、/ʝ/になる。

ラテンアルファベットC[2], Gキリル文字Г, Ґ はこの文字を起源とする。

国際音声記号有声軟口蓋摩擦音の記号 [ɣ] は字形が異なるが、この文字に由来する。

起源

フェニキア文字 𐤂 に由来する。この文字の読みはヘブライ語でギメル(ただしこの文字の起源になったとされる「ラクダ」を意味する語はガマル(גמל)[3])、シリア語でガマル(gāmal)[4]であり、ギリシア語の文字名称はセム語名から最後の「l」を除いたものにあたる(文字名称から最後の子音を除く例はほかにνρにも見られる)。

記号としての用法

計量単位

微小な単位の名称としてガンマ(γ)を使用しているものがある。

  • 磁束密度の1ガンマ (γ) は 1ナノテスラ (nT) = 10−9 T。地球物理学で地磁気の磁束密度を表すのに使用された。
  • 質量の1ガンマ (γ) は1マイクログラム (µg) = 10−9 kg
  • 臨床医学において、微小な薬剤の量を表すのに慣用される単位。1ガンマ (γ) は体重 (kg) あたり (min) あたりの薬剤量 (µg)。日本でしか通用しない麻酔科関係慣用単位。麻酔・集中治療関係以外の分野や外国では、通用しないので注意が必要[5]

符号位置

大文字UnicodeJIS X 0213文字参照小文字UnicodeJIS X 0213文字参照備考
ΓU+03931-6-3Γ
Γ
Γ
γU+03B31-6-35γ
γ
γ
記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
ɣU+02631-6-35ɣ
ɣ
国際音声記号

脚注