![]() | 数学における「病的」とは異なります。 |
病的科学(びょうてきかがく、pathological science)とは、存在しない現象を、多くの人で観察してしまうことで成り立つ分野である[1]。疑似科学よりも科学に近い位置づけにある[1]。
1989年にアーヴィング・ラングミュアによって発表された[1]。定義したのは、その36年前の1953年である[1]。
ラングミュアは、病的科学の徴候を以下のように指摘している[1]。徴候(symptom)であり、科学と病的科学の間に線を引くためのものではない[1]。
病的科学は疑似科学と混同されることが多い。しかし、疑似科学は(主張者が科学であると主張したり、科学であるように見せかけてはいても)科学的方法を十分に満たしているものではないのに対し、病的科学は科学的手法を一応は満たしていても研究者自身の態度や錯誤によって事実とは違う"現象"を見出すことを指しているのであり、両者は科学的手法を踏まえているか否かという点で別のものである[2]。
仮説と検証による自然科学のプロセスを踏んでも病的科学に陥る原因としては、仮説を実証したいという研究者の強い思いが錯誤を招き,研究者自身も騙されてしまうことが挙げられ、シミュレーションのような理論研究が病的科学でないことを証明するには、以下のようなことを示す必要があると芦原貴司は主張している[3]。
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